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【SAP TechEd Berlin 2025】現地3日間、最先端のBTPを体験!

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こんにちは!KYOSOの土井です。

2025年のSAP TechEdがベルリンで開催されました!世界中のSAP開発者、パートナーが一堂に会するこのイベントに、KYOSOからは筆者を含む2名が現地参加しました。今回のテーマは、「Business Technology Platform(BTP)の進化と実践」。生成AI、クリーンコア戦略、拡張性、データ管理、セキュリティなど、BTPに関する最新トピックが満載の3日間でした。

本記事では、基調講演で明らかになったSAPの最新情報から、注目セッション、デモ、現地の雰囲気をレポートします。現場だからこそ得られた“リアル”をお届けします!

※タイトルの画像はキーノートスピーカーを務めていたSAPコミュニティー代表のJosh “Bluebeard” Bentleyさんです。大きく描かれたご自身の絵の前でポージングされていたのを写真撮影させていただきました。Joshさんはこの後のイベント紹介でも登場します!

SAP TechEd Berlin 2025とは?

イベント概要

イベント:SAP TechEd Berlin
会場  :ドイツ、メッセベルリン
開催日 :2025年11月4日~6日

※イベントサイトはこちら

SAP TechEd Berlin 2025は、最新のSAP技術に関するセッション、トレーニング、そしてネットワーキングの機会が一堂に集まるSAPの技術イベントです。世界中のSAPエキスパートや開発者が集い、知識とアイデアを共有できる場となっています。KYOSOとしてはSAUG-x 2024ぶりの海外イベントの参加となりました。

当日のスケジュール

Day 0

SAP TechEd 開催の2日前の夜、関西空港を出発し、ベルリンに到着したのは翌朝でした。

ドイツの駅には改札がないため、到着後すぐに 7日間有効の公共交通機関パスを購入。忘れずに“打刻”を済ませました(これを忘れて検札にあたると、不正乗車扱いで罰金 €60…!円安の今、かなり痛い出費になります💦)。

ベルリン・ブランデンブルク国際空港に到着後、電車で市内へ移動します。ホテルに向かう電車に乗った直後、なんといきなり検札員が登場!チケットを提示して無事セーフでしたが、初日からヒヤヒヤのスタートでした。

SAP Japan Night

夜には、日本からの参加者が集まる 「SAP Japan Night」 が開催されました。KYOSOをはじめ、SAPのパートナー企業らが一堂に会する貴重な場で、国内のSIerやパートナー企業の皆さんと交流し、直接意見交換や情報共有を行うことができました。

ネットワーキングを通じて、共通の課題や関心を持つ企業同士でつながる良い機会となりました。

また、SAPからはTechEdのスピーカーの方々も参加されており、翌日のセッションに関するちょっとした“ネタバレトーク”や自由に質問できる時間もあり、とても有意義なひとときとなりました。

Day 1:基調講演 & Integration Suite セッション

基調講演

Day 1のオープニングとクロージング基調講演では、青ひげがユニークなJosh “Bluebeard” Bentleyさんをはじめとするキーノートスピーカーたちからの熱烈なウェルカムスピーチで始まり、ロボットが登壇するなど見どころも盛りだくさんでした。

講演では、SAPのAIシステム Joule(ジュール)の紹介や、これからのAI時代におけるSAPの姿勢についての話もあり、Executive Board of SAP SE の Muhammad Alam さんからは「AI as a Teammate(AIをチームメイトとして活用する)」というキーワードのもと、AI活用の方向性が技術者の参加者に示されました。

初日には、注目の新発表もいくつかありました。主なトピックは以下の3つです。

・SAP Build:ローコード開発をさらに加速させる新ツール群の拡充
・Snowflakeとのパートナーシップ:エンタープライズAI強化に向けた連携
・SAP RPT-1:ビジネスに特化した初の基盤モデル(Foundation Model)

特に ABAPがVisual Studioの拡張機能として利用可能 になると発表された際は、世界中のABAPユーザーから自然と大きな拍手と歓声が沸き上がりました!

参加セッションの振り返りDay 1

筆者は主に Integration Suite のハンズオンセッションに参加しました。
2人1組で資料を見ながら実際に操作を進め、講師の方々にもその場で質問できる実践的な形式でした。また、現地参加者とも仕事や技術について直接話すことができ、とても貴重な経験になりました。

初日に受講したセッションは以下の通りです。詳細は別ブログで改めて投稿予定です。

1枠目:Modernize and transform your integration to the cloud
SAP Integration Suite の新機能として、移行評価ツールやクラウド統合機能を実際に体験しながら、統合の効率化とスケーラビリティを高める新しいパイプラインを作成するハンズオンセッション

2枠目:Road map: What’s planned for Joule
SAPエキスパートの講師によりJouleテクノロジーの今後と、AI支援の強化と企業ニーズに応じた統合・カスタマイズの進化について学ぶセッション

3枠目:Innovations, investments, and future road map for SAP Integration Suite
スケーラブルなビジネスを実現するため、API管理やB2B統合、AI自動化などの最新技術で統合までの流れを学ぶセッション

Day 2:Integration Suite セッション

参加セッションの振り返りDay 2

1枠目:Empower your business through enterprise automation
SAP Integration SuiteをSAP BuildやSAP Signavioと組み合わせ、AIと自動化を活用して統合効率と業務改善を実現するハンズオンセッション

2枠目:Master integrations: Integration Advisor and Trading Partner Management
SAP Integration SuiteのIntegration AdvisorとTrading Partner Managementを活用し、複雑な統合シナリオの管理や高度なマッピング、取引先プロファイル作成、B2Bデータ交換を効率的に行い、業務プロセスを作成するハンズオンセッション

3枠目:The power of standard integration content in SAP Integration Suite
SAPの事前構築済み統合アーティファクトを活用し、カスタムコードの混乱から脱却して、AIやイベント駆動型、サードパーティ統合に対応したアジャイルでスケーラブルな統合環境について学習

4枠目:Run integration scenarios in private landscapes with Edge Integration Cell
SAP Integration Suiteの次世代ハイブリッド統合ランタイム「Edge Integration Cell」の最新機能を活用し、プライベートクラウドやオンプレミス環境内でAPI管理や統合シナリオについて学習

Berlin Night

SAP TechEd 2日目のセッションを終え、最後のセッションを終了すると、スタッフに誘導され、食堂に案内されました。すると、そこにはフードトラックやDJブースが用意された、ベルリンの夜をイメージした特設会場が広がっていて、一気にお祭りのような雰囲気に包まれました。

会場では、再び日本からの参加者の方々と交流する良い機会にもなり、ネットワーキングを楽しむことができました。

Day 3:最終日 & SAP Japan After Party

参加セッションの振り返りDay 3

1枠目:Experience the automation of technical operation tasks on SAP BTP
SAP BTP上でSAP Automation PilotとSAP Cloud ALMを活用し、アラートに基づく自動トラブルシューティングや修復を実行しながら、生成AIを使ったコマンドアシスタントで独自の自動化フローを構築するハンズオンセッション

2枠目:Modernize SAP Business Suite transformation with SAP Integration Suite
SAP Integration Suiteを活用して、クラウド・ハイブリッド環境でスムーズかつスケーラブルな統合を実現し、リアルタイムデータフローやAPI管理、高度な接続性を備えたビジネスを構築するための学習

After SAP TechEd Casual Gathering

SAP TechEd最終日の終了後、SAP Japanさん主催のおつかれさま会が「Hofbräu Wirtshaus Berlin(ホフブロイ ヴィルトスハウス ベルリン)」で開催されました。このお店は、ドイツ・ミュンヘンの有名なビアホール「ホフブロイハウス」のベルリン店で、伝統的なバイエルン地方の雰囲気をそのまま味わえる人気のビアレストランです。

会場では、大きなビアジョッキを手にビールと音楽を楽しむ参加者の皆さんで大盛り上がり。
そんな中、「下戸代表」を自負する筆者は、安全そうな「Hofbräu Alkoholfrei(アルコールフリー)」を注文しました。

ところが、3口目あたりからなんだか舌が回らなくなってきた…気になって調べてみると、ドイツではアルコール度数が最大0.5%までなら“Alkoholfrei(アルコールフリー)”と表示できるとのこと!😅
同じくお酒に弱い皆さん、ドイツでの“アルコールフリー“には気を付けましょう(笑)

終わりに

今回の SAP TechEd Berlin 2025 は、生成AI「Joule」や拡張性といった最新技術を中心に、SAPが描く「次のビジネスプラットフォーム」の方向性を肌で感じることができる貴重な機会となりました。
世界中から集まった開発者・パートナーと同じ空間で学び、議論し、刺激を受ける3日間は、まさに“技術と人が交わる場”そのものでした。

KYOSOとしても、今回吸収したBTP / Integration Suite / Jouleの知見を、今後のBTP活用やAI統合の取り組みに今回の学びを活かしていけるよう、引き続きチャレンジを続けていきます。

次回は、各セッションの詳細内容をより深掘りして紹介する予定です。どうぞお楽しみに!

ちょこっとベルリン街散歩

ホテルから歩いて5分ほどの石畳の道に、下の写真のような小さな金属プレートが埋め込まれていました。

これは 「つまずきの石(Stolperstein)」 と呼ばれるもので、ナチス政権下で強制連行された人々を追悼するために、その人が連行された場所に名前や生没年が刻まれています。
この場所から反対に振り返ると、先の大戦での半壊を保存した教会が静かな街並みの中に立っています。

筆者は学生時代の1年間をドイツで過ごし、そのうち半年は今回の会場でもあるベルリンで働いていました。今回、数年ぶりにこの街を訪れ、しかもこのような形で再び戻ってこられたことに、なにかご縁を感じて個人的には感激でした。

ベルリンは、KYOSOの本社がある京都とどこか似ていて、街のいたるところで歴史を身近に感じられる場所です。
改めて、この街の空気に触れ「ベルリンが好きだな」と思わされました。

投稿者プロフィール

Miho D.B.
Miho D.B.
2023年度入社。Java系や内部管理会計開発などを経て、現在ではSAP BTP/Fioriの開発案件に携わっています。
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