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【SAP BTP】サポートインシデント起票 完全攻略

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はじめに

SAP BTP開発で、今まで正常に動いていたシステムが突然エラーで動かなくなるという経験はありませんか?
私自身、担当案件にてこのようなケースに遭遇する時がありました。部門内で詳しい人に助けてもらえる場合もありますが、それでも解決出来ず、追い詰められた状況に陥ることもあると思います。ネット上でもこの件に関する一般的な情報は多くは見られません。
そんな時に利用してるのがSAPサポートへの問合せになります。
しかしながら、ルールに沿った問合せをしないと回答をいただけない事もあるため、問合せ時の心得を記載方法と合わせて以下に記載いたします

SAPサポートインシデントとは?

SAPサポートインシデントは、SAPサポート担当者様への技術問合せのことを指します。
SAP開発・運用を行っている中で発生した課題に対する問合せサービスです。
問合せ時の回答が必ずしも問題解決になると断定は出来ませんが、チーム内でどうしても解決出来ないエラーや過去に事例の無いエラーが発生した場合、ここに頼らざるを得ないため、最後の砦だと考えています。
私自身もエラー時には助けられたケースがいくつかございます。

それでは、サポートインシデントの起票の仕方について解説します。

起票の仕方

①サイトへのアクセス

以下のURLよりサポートインシデントサービスへアクセスします。

※SIDでのログインとなります。

https://me.sap.com/getsupport

②質問事項の起票

・新しい問題の報告を押下し、起票ページへ遷移します。

起票時の注意点

インシデントを起票するという事は、一刻も早く回答が欲しい状況であると思います。
出来るだけ早く回答をいただくためにも以下ご注意ください。

  • 注意点1.言語は「英語」で記載します。
    ※日本語で質問すると、英語に比べて返事が来るのに時間がかかります。
  • 注意点2.優先度は「Low/Medium/High/Very Highの中から選択します。
    通常は「Medium」を選択し、緊急度が低い場合は「Low」を選択ください。
     また、本番障害以外で通常よりも緊急度が高い場合は「High」を選択して下さい。
    本番障害でシステムが停止しているなど極めて緊急度が高い場合は「Very High」を選択します。(今回は例としてVery Highを選択)
    ※注意点3~6は優先度「Very High」を選択した場合のみ選択可能となります。
  • 注意点3.事業への影響カテゴリは選択肢となり、以下の選択肢があります(今回は例で1を選択)
     1.本稼働サービス/システムが完全にダウンしています。
     2.コアビジネスプロセスが影響を受けます。
     3.本稼働開始が影響を受けます。
     4.セキュリティ上の問題があります。
     
  • 注意点4.次善策の有無については「はい」または「いいえ」で選択(今回はいいえを選択)
  • 注意点5.いつから本稼働が停止してますが?→日時を選択して下さい
  • 注意点6.質問内容の記載方法 

 英語で記載する理由ですが、SAPサポート担当は海外の方々になります。日本語よりも英語で質問を投げた方が圧倒的に伝わりやすく、効率が良いからです。


翻訳ツールは「https://www.deepl.com/ja/translator」がおすすめです。※英語は(イギリス=UK)を選択しましょう。

※本文へ記載する際は以下がポイントとなります。
 冒頭に発生している事象を簡潔に報告します 


 その他気づきがあれば、記載します

  • 注意点7添付ファイルはつけましょう
    ※サポート側でのエラー箇所の確認がスムーズに進める為です。

以下添付の例となります。
※実際のエラーキャプチャなどは必ず添付する事をおすすめいたします。



以下は続きの手順となります。
報告者を記入

必要事項に記載が終わりましたら送信します。

送信後すぐにサポート側より確認のメッセージが届きます。

翻訳するとこうなります。回答の閲覧は日本語翻訳して確認しましょう。
こちらから質問した内容について知見のあるサポート担当へとすぐに質問内容を連携してくれます。

優先度「Very High」で起票していると当日もしくは翌日までにはサポート担当より回答が返ってきます。
※質問内容や意図がきちんと伝わっていないと、何度もやりとりが続いてしまうため、確実に伝わる内容で質問しましょう。

  • 注意点8.解決したらインシデントを閉じます
    画面右上の方にある「close」ボタンを押下してクローズして下さい。


最後に

今回はSAPインシデント起票方法と注意点を紹介させていただきました。
インシデント起票は慣れるまでは抵抗がありますが、開発チーム内でどうしても解決出来ない問題に対して有効であると思います。
繰り返しとなりますが、SAP関連の情報はネットで見つけにくいため、手詰まりとなるケースも出てくるかと思います。SAPインシデントはテキスト形式でありますが、SAP担当者と直接やり取りする事が可能であるため、課題解決の近道である事は言うまでもないと考えております。
是非ご活用いただければと思います。

本記事が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

投稿者プロフィール

久保田 篤史
久保田 篤史
株式会社KYOSO ビジネスソリューショングループ開発1所属
オンプレミス向けのWeb開発を経て、現在はSAP Business Technology Platform(SAP BTP)の開発に携わり、リーダーを務めています
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