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【Tableau】初心者向けに徹底解説!〈後編〉:具体的な製品例と使用方法について

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はじめに

企業がデータの収集や蓄積をするのが当たり前になりつつある中で、データを有効活用できるBIツールは大注目の分野です。
BIツールの1つであるSalesforce社が提供する Tableau(タブロー)について、初心者向けに分かりやすく、前編と後編の2回に分けて解説します。

前編の本記事では、「そもそもTableauとは何か」「Tableauを選ぶ利点」「Tableau製品のカテゴリ」について解説しました。
【Tableau】初心者向けに徹底解説!〈前編〉:概要、利点、製品カテゴリについて

後編となる本記事では、「おすすめのTableau製品の概要」「おすすめポイントと活用例」について学ぶことができます!

おすすめのTableau製品と活用例

本章では、おすすめの製品や活用例について、紹介します。

① 基本製品

各基本製品の違いは下記の通りです。

製品 オン/オフライン データ ダッシュボード
集約 加工 作成 閲覧 オンライン共有

Tableau Cloud

オンライン
(サーバ不要)

Tableau Server

オンライン
(サーバ必要)

Tableau Desktop

オフライン × ×

Tableau Prep Builder

オフライン × × ×


① 基本製品から、もっとも汎用的な Tableau Cloud(旧:Tableau Online)を紹介します。

Tableau Cloud(旧:Tableau Online)

<概要・できること>
ソフトウェア等のインストール不要で、ブラウザ上で操作を行うクラウド型のBIツールです。
データの集約・加工からダッシュボードの作成・閲覧・共有まで、BIに必要なすべての操作が可能です。
Tableau Cloud 製品ページ

<最小必要ライセンス>
Creatorライセンスを1つ以上購入している場合、無料で利用可能です。
利用するユーザー数や用途に応じて、Creator・Explorer・Viewerライセンスを追加購入することで、複数ユーザーで使えます。
トライアル版(14日間)申し込みページ

図3-1-1. Tableau Cloud ホーム画面
図3-1-2. Tableau Cloud ダッシュボード画面(一例)


<おすすめポイントと活用例>

  • ソフトウェアのインストールや、別途サーバの用意が不要!

 →パソコンとネット環境があれば、セットアップ作業が不要で、すぐに始めることができます。
 →製品のアップデートなどのメンテナンス作業も、Tableau側が自動で実施してくれます。

  • 多様なコネクタと2種類のデータ接続方法が利用可能!

 →約100種類のデータコネクタが用意されているため、様々なファイルや外部サービスからデータ収集を行うことができます。
  ※サポートされるコネクタ
 →データ接続方法として、「抽出接続」と「ライブ接続」が利用可能です。
   抽出接続は、任意のスケジュールで定期的にデータを一括取得する方法です。
   処理に時間のかかる大量のデータを確認したい場合におすすめです。
   ライブ接続は、データを閲覧する度に、必要な分のデータを取得する方法です。
   リアルタイム性のあるデータを閲覧する場合におすすめです。
  ※一部、ライブ接続に対応しておらず、抽出接続のみ可能なコネクタがあります。

図3-1-3. 抽出接続とライブ接続
  • 「フロー機能」でデータの加工が可能!

 →取得元の異なるデータの結合や集計など、ほぼノーコードで簡単に実装できます。
 →Tableau Data Managementオプションを利用することで、スケジュールを設定し、自動実行できます。
  ※抽出接続・ライブ接続どちらのデータも加工可能ですが、フロー機能は手動実行もしくは、スケジュールでの自動実行となるため、リアルタイム性が必要な場合は使用できません。

図3-1-3. フロー作成画面
  • 簡単操作で、多様なダッシュボードを作成可能!

  →ドラッグ&ドロップ操作により、ほぼノーコードで簡単に様々なダッシュボードを作成できます。
  →多様なグラフや表現方法が用意されているため、要件に合わせた表現や新たな視点による分析ができます。

図3-1-4. ダッシュボード作成画面
  • ダッシュボードをWebサイト上に埋め込んで表示、細かい権限設定が可能!

  →作成したダッシュボードを他のWebサイト上に埋め込んで表示できます。また、SSO設定を行うことで、Tableauへのログイン操作を省略できます。
   ※SSOとは、シングルサインオン(Single Sign On)の略称です。通常、複数のサイトにログインするためには、各サイトごとにログイン操作を行う必要があります。SSOは、1度のログイン操作で複数のサイトにログインできる仕組みです。
  →ユーザー毎、ダッシュボード毎に閲覧や操作権限を細かく設定できます。

図3-1-5. Salesforceに埋め込んで表示しているダッシュボード(一例)

※Tableau Cloudでは、データ容量や処理の実行(抽出やフロー機能など)に関して、容量の制限があります。詳細については、Tableau Cloud サイトの容量 をご参照ください。

② Tableauをより活用するための製品

② Tableauをより活用するための製品 として、基本的な Tableau Data Management と Tableau Bridgeを紹介します。

Tableau Data Management

<概要・できること>
Tableau Cloud または Tableau Server に、データ加工に関する機能を追加するオプションです。
データ加工処理をスケジュールに沿って実行したり、データごとに使用しているダッシュボードを一覧で表示・分析したりできます。
Tableau Data Management 製品ページ

<最小必要ライセンス>
Tableau Cloud または Tableau Server を使用している場合、利用可能です(追加費用あり)。
追加必須のオプションではないため、要件に合わせて要不要を決定できます。
トライアル版(14日間)申し込みページ
 トライアル版Tableau CloudにTableau Data Managementが含まれています。


<おすすめポイントと活用例>

  • フロー機能の自動実行が可能!(Tableau Prep Conductor機能)

  →スケジュールを設定し、フロー機能を自動実行できます。
   例えば、夜間に最新データの取得・加工を自動実行し、
   翌朝に最新情報をすぐに確認できます。

図3-2-1. 抽出接続+フローのスケジュール実行
  • データ/フロー/ダッシュボードの関連性を一覧で表示!(Tableau Catalog機能)

  →データ/フロー/ダッシュボードの関連性や、データの利用状況を一目で確認・分析できます。

図3-2-2.Tableau Catalog画面
Tableau Bridge

<概要・できること>
プライベートなデータベースからTableau Cloudへのデータ接続ツールです。
オンプレミスやクラウド上のプライベートサーバからTableau Cloudへデータの受け渡しができます。
※対象のデータへアクセス可能なサーバにTableau Bridgeをインストールする必要があります。
※Tableau Bridgeを介してデータの受け渡しを行うため、データの受け渡しを行う際は、Tableau Bridgeをインストールしたサーバを起動しておく必要があります。
Tableau Bridge 製品ページ

<最小必要ライセンス>
Tableau Cloud を使用している場合、利用可能です(追加費用なし)。


<おすすめポイントと活用例>

  • プライベートなデータベースからのデータ取得が可能!

  →データコネクタを使用することで、様々なファイルや外部サービスからデータを取得することが可能です。しかし、オンプレミスやクラウド上のプライベートサーバのようにファイアウォール等でデータが保護されている場合は、データコネクタのみではデータの取得ができません。その場合は、データコネクタに加えて、Tableau Bridgeを利用することで実現可能です。
  →抽出接続・ライブ接続どちらのデータ接続方法も利用できます。
   ※データ接続方法に関する詳細は、Tableau Cloud(旧:Tableau Online)の<おすすめポイントと活用例>を参照。

図3-3-1. Tableau Bridgeを介さない接続と、介する接続

最後に

本記事では、おすすめのTableau製品について、概要や活用例を紹介しました。
Tableau製品に興味を持っていただき、Tableauを活用したBIを始める第一歩になれば幸いです。

今後も、Tableau関連の紹介・解説や技術記事の投稿を予定しています。

また、Tableauに興味を持たれた方は、
Tableau Desktop Specialist 認定資格の概要や一発合格までの体験記を紹介していますので、ぜひご覧ください。
【Tableau 認定資格】Desktop Specialist 資格の受験方法と一発合格までの体験記【最新版】

参考

投稿者プロフィール

小林美蘭
小林美蘭
こんにちは! BS事業部 BSグループの小林です。

AWSやSAP、現在はSalesforceのサービスを利用した開発業務に携わっております。
SalesforceのCRM AnalyticsやTableauなどのBIツールをメインに、
サービスの紹介や、実体験をもとにした活用例などを共有していきたいと思います!
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