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【SAP BTP】セキュリティ設計を行う開発者必読!SAP Cloud Identity Services(SAP CIS)の機能と初期設定方法(1.ご紹介)

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はじめに

株式会社KYOSO BS事業部 開発2の崎尾です。
本記事は、SAP開発に携わるセキュリティ設計を行うユーザーに向けた内容です。
SAP BTPには、クラウドおよびオンプレミス全体でID、権限、SSO(シングルサインオン)を管理できるSAP Cloud Identity Services(以下、SAP CIS)があります。
今回はTrial環境を利用して実践しましたので、複数回に分けてご紹介します。

なぜこの記事を書いたのか

現代のビジネス環境では、セキュリティ効率性がますます重要になっています。
SAP CISは、これらを強化するための強力なツールです。
この記事では、SAP CISの導入がどのように企業のセキュリティを向上させ、ユーザー管理を効率化するのかを解説します。また、この記事を皮切りに、シリーズ形式でSAP CIS導入におけるメリットデメリットを各テーマごとに正直にお伝えする予定です。
それにより、読者の皆さまが最適な選択を行えるよう支援できればと思います。

SAP CISで利用できる認証方式

SAP CISでは、以下の追加認証方法を利用できます。

  1. 生体認証
  2. 多要素認証(MFA)
  3. OAuth2.0/openID Connect
  4. SAML2.0(Security Assertion Markup Language)
  5. 証明書ベースの認証
  6. パスワード認証
  7. ソーシャルログイン

細かい内容、設定方法については次回ブログでご紹介します。
それではSAP CISのサービスを有効化する方法と設定について説明します。

SAP CISの設定方法

1.SAP Cloud Identity Serviceを有効化する
  1. ナビゲーションメニューから「サービス」 > 「サービスマーケットプレイス」に進みます。
  2. Cloud Identity Services」を検索します。
  3. 対象のサービスを押下します。
  4. 作成」ボタンを押下します。
  1. 計画」を押下し、「サブスクリプション(default)」を選択します。
  2. 作成」を押下します。
  1. ナビゲーションメニューから「サービス」 > 「インスタンスおよびサブスクリプション」に進みます。
  2. アプリケーション」>「Cloud Idetity Services」のステータスが「サブスクライブ済み」になっていれば追加完了です。
  3. ログインユーザーのメールアドレスに以下添付ファイルのメールが届いていることを確認してください。
  4. Click here to activate your account」を押下し、アカウントの有効化を実施します。
2.SAMLメタデータのダウンロード
  1. ナビゲーションメニューから「セキュリティ」 > 「トラスト設定」に進みます。
  2. SAMLメタデータのダウンロード」を押下します。
    ※後続の作業でこのメタデータが必要になります。
3.SAP Identity Authentication Service (IAS)の設定

SAP Identity Authentication Serviceの管理コンソール

  1. Applications & Resources」>「Application」を押下します。
  2. Applicationsを新規で作成します。
  3. 画像のように設定します。
  1. 先ほど作成した、Applicationを押下します。
  2. Single Sign-On」>「SAML2.0 Configuration」を押下します。
  3. 「Define from Metadata」の赤線部分のBrowserボタンを押下し、コックピットで取得したメタデータを設定します。
  4. 最後に右上の「Save」を押下します。
  1. Applications & Resources」>「Tenant Settings」を押下します。
  2. SAML 2.0 Configuration」を押下します。
  3. Download Metadata File」を押下します。
  1. SAP BTP cockpitの「トラスト設定」に戻ります。
  2. 新しいSAML認証設定」を押下します。
  3. アップロード」を押下し、先ほど取得したMetadataを選択します。
  4. 名前」部分を設定に合わせたわかりやすい名前にします。
  5. 保存」を押下します。
  6. 再度、「SAMLメタデータのダウンロード」を押下し、Metadataを取得します。
  1. ダウンロードしたファイルを再度アップロードします。
    ※方法は前工程で記載の為、省略
  1. Default Name ID Format」を押下します。
  2. Email」を選択します。
  3. Save」を押下します。
  1. Attributes」を押下します。
  2. Nameに「Groups」、Source「Identity Directory」、Valueに「Groups」を設定します。
  3. 「Save」を押下します。
4.テストと確認
  1. 設定が完了したら、テストユーザーでログインし、設定が正しく機能しているかを確認します。
  2. SSOの動作や、ユーザー属性のマッピングが期待通りになっているかをテストします。

最後に

いかがでしたか?
本記事ではSAP CISの機能と初期設定方法についてご紹介しました。
セキュリティ向上目指す上でSAP CISが必要なサービスであることが理解できたと思います。

次回予告

次回のブログでは、SAP CISを使った「生体認証」について詳しく解説します。
セキュリティの重要性が高まる中で、生体認証がどのように役立つのかをご紹介します。

投稿者プロフィール

崎尾 健悟
崎尾 健悟
株式会社KYOSOに2021年中途入社
現在はSAP開発に従事しています。
前職ではWEB開発の経験を持ち、これまでに培った技術と知識を活かして、効率的かつ効果的なソリューションを提供しています。

<保有資格>
情報処理推進機構(IPA)認定資格 ITパスポート
SAPコンサルタント認定 SAP Certified Development Associate - SAP Extension Suite
SAPコンサルタント認定 SAP Certified Development Associate - SAP Fiori Application Developer
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