はじめに
株式会社KYOSOビジネスソリューション事業部では、様々なプロダクトを使用したクラウド開発案件を
推進しています。
主にSAP Business Technology Platform(SAP BTP)、Tagetik、Salesforceなどのプロダクトに
注力しており、お客様の要件を実現する手法は様々です。
今回はSAP社主導のもと、SAPのDWHであるSAP Datasphere(以後Datasphereと表記します)と
Salesforceのデータ連携の概念実証(以後PoC*と表記します)を行ったので、取り組みの要点を
ご紹介します。
SAP社で公開されたブログは以下です。
SAP Open Connectorsを使用したSalesforce Sales CloudとSAP Datasphere のデータ連携
*PoC(Proof of Concept)とは、新しいアイデアやコンセプトが実現可能か・効果が見込めるのか
  検証することSalesforceとSAPのデータ連携の方法
SalesforceとSAPのデータ連携は、以下のような方法が用意されています。
1.SAP Open Connector
2.Precog
3.Overcast
今回の検証では「1.SAP Open Connector」を使用した実証を行いました。
「2.Precog」については一旦接続確認まではできましたが、実証できるかを確認する材料に乏しく、
検証からは除外しました。
「3.Overcast」については有償のアドインということもあり、検証からは除外しました。
また、データ連携の前提として、「SAP Integration SuiteとDatasphereのデータフローを使用して、
Salesforceのオブジェクトの情報を取得する」ことを目的としました。
実証を通じて
データ連携時に、データが無ければ追加、あれば追記をDatasphere側の設定で指定することは
できるものの、一意のキーとしてSalesforce IDを指定することはできませんでした。
そのため、別途、Salesforce IDの代用となるキー(NAMEなど)を用意する必要があります。
今回の検証では、Salesforceのデータ更新をきっかけとした連携は実証しておらず、
その場合の課題洗い出しには至っていません。
標準および、カスタムオブジェクトのデータ連携は問題なく実施でき、定期的なデータ連携も
Datasphere側の設定で可能になります。データ連携が可能なことを実証できたため、Salesforceで管理している顧客に関係する
データ(商談、取引先、ケース)をDatasphereに蓄積し、更にSAPで管理しているデータと
組み合わせてSAP Analytics Cloudにて分析をするなどのソリューション提供も可能と考えます。
最後に
今回の実証で、SalesforceとSAP間のデータ連携に必要な要点を得ることができました。
マルチクラウドを念頭に、システム構成や顧客要件の実現を検討する際、SalesforceやSAPの
データ連携が必要となる場面が多々あります。
今回の結果を踏まえて、SAP社からも「今後もKYOSOに開発の支援と協力をお願いしたい」
という、ありがたいお言葉をいただきました。
今回はSAP社主導のもと、PoCを実施しましたが、今回の経験を活用したソリューション
提供機会が得られるよう、引き続き各プロダクターと協力して技術力の醸成に励んでいきたいと
考えます。
投稿者プロフィール

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AWS、Salesforce関連、およびWEBシステム構築などの案件を行なっています。
 DX(デジタルトランスフォーメーション)実現に向け、お客様の様々なお困りごとを解決する、価値あるサービスを提供できるよう心がけています。
