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【SAP】SAP認定試験を受験しよう!SAP認定資格の取得に対するKYOSOの取り組みについて

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はじめに

SAP社のエンタープライズPaaS製品である、SAP Business Technology Platform(BTP) でアプリケーション開発をしている房といいます。SAPの世界に入って1年が経ち、そろそろSAP認定試験を受験してみようかと思い、会社からの推奨されている試験領域(区分)でSAP認定資格試験を受験し、資格取得をしました。今回は、弊社のSAP認定試験を受験しようとしているメンバーへの支援内容を紹介します。併せて、SAP認定試験に関する情報や受験体験記をまとめさせていただきます。

弊社のSAP認定資格取得に対する取り組み

まず初めに、弊社におけるSAP認定資格の取得に対する取り組みについて、紹介させていただきます。

弊社では、SAP Business Technology Platform(BTP) や、SAP Analytics Cloud(SAC)等の開発を得意としています。それに伴い、社員教育の一環として関連区分でのSAP認定資格の取得を推奨しています。SAP認定資格を受験するための主な支援として、学習資料をまとめています。SAP認定試験は年次で各試験のバージョンが上がります。(例:SAP CPE_13→SAP CPE_14等)試験のバージョンが上がった際には、更新内容を確認しメンバーへ展開しています。

また、社内のコミュニケーションは主にSlackを利用しているのですが、SAP認定試験関連のチャンネルを作成しており、ここで情報共有が活発に行われています。結果として、弊社のSAP認定資格者数は年々増えると共に、SAP BTPの有識者として活躍するメンバーも増え続けている状況になります。

参考:2023年5月現在のSAP認定資格の取得者数
SAP Certified Development Associate – SAP Fiori Application Developer 14名
SAP Certified Development Associate – SAP Extension Suite 9名
SAP Certified Development Associate – SAP Cloud Platform 6名
・SAP Certified Development Associate – SAP Analytics Cloud 2名
・SAP Certified Development Associate – SAP Integration Suite 1名

SAP認定試験は1回の受験で約30,000円の高額な受験料が必要となります。下記でも紹介させていただく、6回分の受験可能サブスクリプション(約80,000円)の購入費用を会社が負担し、SAP認定試験を受験しようとしているメンバーへ配布しています。

そして弊社では、対象資格に合格すると資格取得報奨金が支払われる社内規定があるのですが、SAP認定試験についても、対象に漏れず資格取得報奨金が支払われます。また、SAP認定資格を有しつつ実務経験も積むことで、技術評価手当の対象となり翌年度の給与額へ反映もされます。

以上、弊社のSAP認定試験の学習支援と金銭的支援の両方を紹介させていただきました。次項より、SAP認定試験に関する概要説明と受験手順、そして自身の受験体験記について記載させていただきます。

SAP認定試験について

SAP製品の世界シェアとSAP認定試験について

SAP認定試験は、SAPの製品や技術に関する深い知識と、実践的なスキルを持つ専門家を認定する試験です。SAPは世界中でビジネスに必要なソフトウェアを提供しており、SAP認定試験に合格することで、その製品や技術に関する専門知識を証明することができます。例えば、ERP(Enterprise Resource Planning(企業資源計画))領域の製品の世界シェアランキングは、1位:SAP、2位:Intuit Inc.、3位:Oracle となっており、SAP製品が高いシェアを占めていることが分かります。
https://www.appsruntheworld.com/top-10-erp-software-vendors-and-market-forecast/

そのため当試験を受験し、SAP認定試験の有資格者となることは、自身のエンジニア(またはコンサルタント)として、市場価値の向上へ役に立つことが分かります。SAP認定技術者は、SAPの製品や技術に関する深い知識と、実践的なスキルを持つ専門家として見なされます。

・SAPの製品に関する深い知識を持っている。
・SAPの製品を実際に導入、設定、運用、保守することができる。
・システムの問題を特定し、解決策を提供することができる。
・プロジェクトマネジメントのスキルを持っている。
・ユーザーとコミュニケーションを取りながら、彼らのニーズを理解し、システムを改善することができる。

SAP認定試験の受験方法について

SAP認定試験の受験方法は、オンライン試験が主となります。自宅やオフィスなどからインターネット経由で受験することになります。
まず、SAP Certificationより、Certification Hubの1回分または、6回分のサブスクリプションを購入します。為替の影響を受けるので、対米ドルで円安の場合、購入費用が高くなります。SAP認定試験では、同じ試験区分を3回までしか受験できないため、2科目×3回分として提供されています。弊社内では過去に1つのサブスクリプションに対して、2科目までしか取得できなかったという情報があります。しかし、実績として現状から受験可能回数残があれば、何科目でもSAP認定試験の受験・資格取得をすることができるようです。なお、このサブスクリプションの有効期限は、購入から1年間となります。

サブスクリプションを購入後、「Subscriptionへのアクセス」にて画面を移動します。

画面を遷移した先で、「Access the Certification Hub」を押下します。

「My account」の「Edit」タブから、「time zone」を必ず「Asia/Tokyo」にします。

次に、「Questionmark Secure browser( https://support.questionmark.com/content/get-questionmark-secure )」をインストールしましょう。インストールが完了したら、同ページにてサンプルブラウザを立ち上げることができるので、テストします。

後は、「Exam Dashborad」のタブから、「Online Exam Subscriptions」の「Schedule an exam」で試験の予約に移っていきます。

この試験区分の一覧表より、自身が受験したい試験科目を選択し、DatePickerアイコンを押下すると、「Schedule Appointment」のサブ画面が開き、試験日時を選択することができます。「Select Timezone」を「Asia/Tokyo」に設定することで、自動的にUTC + 9:00されるようになります。(JST時刻になる)

試験スケジュールの予約ができれば、登録メールアドレスに予約完了のメールが届きます。このメールには、当日の注意事項が詳しく書かれていますので、よく読んでおきましょう。ちなみに一度、予約した試験スケジュールは、直前でない限りは何度でも取り消すことができます。キャンセルした場合でも、サブスクリプションの受験可能回数が減ることはありません。

SAP認定試験の学習方法について

一般的に、SAP認定試験の勉強方法としては、以下のような方法があります。

・SAPの公式トレーニングを受講する
・SAP Learning Hubに登録して、学習資料や模擬試験を受ける
https://training.sap.com/learninghub
・SAPシステムを使用して、実際に操作しながら学習する
・インターネット上にあるオンライン学習サイトや参考書を活用する
・受験対策のための模擬試験を受ける

英語での学習に抵抗がなければ、英語版での学習を強くオススメします。当日の試験問題の選択肢や日本語訳がおかしいときがあり、困惑してしまうからです。

自身の体験から、試験当日の諸注意について(予約メール記載以外の内容)

・当日、試験で利用するPCにZoomをインストールしておきましょう。
・Quickmarkブラウザは必ずインストールし、事前稼働の確認をしておきましょう。
・当日の試験画面を進んでいくと、Zoomに繋ぐことになります。試験監督者は英語会話者なので、英語でやり取りする必要があります。
・Zoomで画面共有でブラウザ上に何も開いていない、余計なものがインストールされていないことを見せる必要があります。
・Zoomのビデオで自分の顔と、証明書(運転免許証等)を見せなければいけません。2種類が必要なので、運転免許証とパスポートの提示で良いと思います。
・Zoomのビデオで部屋の周辺や、机上を見せなければいけません。
・指示があれば、試験画面のボタンを押下していき、Quickmarkブラウザを開くことになります。
・Quickmarkブラウザ上にて試験を実施します。(試験時間は最大2時間)
・問題を解いていき、最後にSubmitボタンを押下して、終了。その場で採点されます。(合格点63~64%以上)
・試験監督者はよく席を立ちます。終わったら画面を閉じてZoomチャットで呼び出しましょう。

試験に合格したら

SAP認定試験に合格すると、「Exam Dashboard」タブの「Exam Results」のOutcomeに「Passed」が付きます。

その後、登録メールアドレス宛にバッジの登録依頼が届きますので、メール文の手順に沿って登録していきましょう。Credlyにて自身が取得したバッジが登録されています。

SAP認定資格の中には、5年間の有効期限が明記されているものがありますが、基本的に資格に有効期限はありません。ただ、SAPのシステム・製品とバージョンに依存しているため、そこは留意すべき点となります。
SAP認定資格の1科目あたりで合格に要する学習時間は、自分の場合は約30時間~40時間でした。各科目に紐づくSAP製品の実務経験や知識があれば、学習時間を短縮できますが必須ではないと思います。

さいごに

SAP認定資格は、SAP製品導入プロジェクトに携わっている、エンジニア・コンサルタントにとっては馴染みの深い資格です。SAP認定資格を取得して終わりではなく、日々アップデートされるSAP製品の情報をキャッチアップし、実務を通して実際のユーザーに価値を届けることが、最大のミッションとなりますので、SAP認定資格の取得後も日々勉強が続いていくことになります。今回はその勉強の一環として、SAP認定試験を受験して有資格者になりましたが、これによって対外的にSAPの有識者としての証明にも繋がってくるものと思います。
ただ、私もエンジニア歴はそれなりに長いものの、SAP製品導入・開発経験はまだまだ学ぶべきことが多いと、日々悩んでいたりもしますので、実務で身に着ける知識はもちろん、SAP社から提供される情報は能動的に得るようにしていきたいです。

投稿者プロフィール

房 宗平
房 宗平
新卒からIT業界を歩き続けています。基幹系・オープン系システムのアプリ開発やプロジェクトリード、Web制作や社内ツール開発をしてきました。将来はつよつよテクニカルプロジェクトマネージャーになりたいです。
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