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【2026年度最新版】SAP Business Technology Platform(SAP BTP)サービスまとめ・一覧

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はじめに

株式会社KYOSOで、SAP社のエンタープライズPaaS「SAP Business Technology Platform(SAP BTP)」のアプリケーション開発を担当している房です。入社以来、複数のプロジェクトを通じてSAP BTPに触れてきましたが、その機能の多様さと奥深さには日々驚かされています。しかし、AWS、Microsoft Azure、Google Cloudといった他クラウドと比較すると、世間的な認知度はまだ発展途上にあると感じるのが正直なところです。その要因の一つとして、「SAP BTPには具体的にどのようなサービスが含まれているのか」という全体像が、十分に伝わりきっていないのではないかと考えました。そこで、AWSの全サービスまとめ記事のように、BTPの提供機能を網羅的に一覧化したリファレンスがあれば、より多くの方に興味を持っていただくきっかけになるはず——。そんな思いから、本記事を執筆いたしました。

SAP Business Technology Platform(SAP BTP)とは?

SAP Business Technology Platform(SAP BTP)は、SAPのアプリケーションを最大限に活用するためのクラウドベースのプラットフォームです。アプリケーション開発、データ分析、AI、自動化など、ビジネスに必要な機能を網羅しており、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進します。以前はSAP HANA Cloud Platformとして知られていましたが、進化を遂げ、現在はSAP BTPとして、SAP製品群との連携を強化し、ビジネス全体の最適化を支援しています。Microsoft AzureやAWSなどの主要なクラウドインフラストラクチャ上でも利用可能で、柔軟なシステム構築をサポートします。80を超える豊富な機能を提供しており、今後もビジネスニーズに応じた機能拡張が期待されます。SAP BTPは、単なる技術基盤ではなく、企業の成長を加速させるビジネスプラットフォームとして進化を続けています。

また、SAP BTPはCloud ERP(SAP S/4 HANA)を充分に活用する上で欠かすことのできない製品です。SAP社では、Cloud ERPを導入する際、次の5点の取り組みについて検討し実現する必要性を述べています。これらはSAP BTPが提供する各ソリューションを利用することで、設計・構築が可能となります。

  1. Clean Core コンセプトに則った拡張開発
    ⇒ SAP BTPを活用したSide-by-Side 拡張開発等
  2. 直感的でマルチデバイス利用を意識したUI・UX(ユーザー体験)の向上
    ⇒ SAP Build Apps、SAP Build Code、SAP Build Work Zone等を活用
  3. ベストプラクティスと事前定義済みコンテンツを最大限に活用したビジネスプロセスの最適化
    ⇒ SAP Integration Suite、SAP Build Process Automation等を活用
  4. データ配置のシンプル化によるデータの利活用促進と高度化
    ⇒ SAP Analytics Cloud、SAP Datasphere等を活用
  5. 運用管理としてアプリケーションライフサイクル管理の効率化
    ⇒ SAP Cloud ALM等を活用

SAPテクノロジーの近況と動向

近年、SAPテクノロジーの動向として感じている点は、AIが「ツール」から自律的に判断・実行を担う「AIエージェント」へと進化し、エコシステムとして定着していることです。中核となる「Joule」については、部門横断的なワークフロー調整を担い、自然言語でカスタムエージェントを構築できる環境や、他社ツールとの連携プロトコルにより、複雑な業務を完結させる未来像が示されています。またエンタープライズ特有のデータ予測に特化した独自モデル「SAP-RPT-1(Rapid)」や、ユーザーの意図から最適な操作を生成する「インテントドリブンなUX」も具現化しつつあります。SAP BTP開発においてもオープン化が加速しており、SAP Build Codeでの自然言語による開発支援や外部AIツールとの連携は、生産性を飛躍的に高める可能性を提示しています。これらの変革は、AIをデータとプロセスを調和させる「知能」として統合するSAPの戦略そのものです。SAP BTPの活用推進を専門とする私自身の仕事の在り方にも、極めて大きな影響を与える変化であると考えています。

本記事の諸注意

注意事項① 削除・追加されたサービス

本記事では、SAP社が公式に提供している情報を基に、SAP BTPの各サービス概要を一覧形式でまとめています。なお、本記事の内容は2026年3月時点の情報に基づいた定点観測となります。クラウドサービスの進化は非常に速いため、過去の変遷や以前のサービス体系については、以下の関連記事も併せてご参照ください。

【2024年度最新版】SAP Business Technology Platform(SAP BTP)サービスまとめ・一覧

【2025年度最新版】SAP Business Technology Platform(SAP BTP)サービスまとめ・一覧

前回の記事公開以降、SAP BTPのラインナップにも変化がありました。まず、提供が終了(削除)されたサービスは以下の通りです(計9サービス)。

Application Logging Service
⇒SAP Cloud Logging へ統合され、OpenSearchベースのより高度な分析が可能になりました。

Bandwidth
⇒共通基盤機能として統合、または各商用モデルのネットワークコストに含まれる形で整理されました。

Business Entity Recognition
⇒SAP AI Core / AI Launchpad 内の事前学習済みモデル、または SAP Document AI の機能となりました。

Data Quality Services
⇒SAP Data Quality Management, microservices for location data 等へ機能移管されました。

Document Information Extraction
⇒SAP Document AI へ名称変更・機能強化。より高度なAI抽出が可能になりました。

SAP Analytics Cloud, embedded edition
⇒SAP Business Data Cloud (BDC) への移行が推奨されています。

SAP Event Hub
⇒SAP Cloud Application Event Hub が実質的な後継となり、エコシステム全体でのイベント配信を担います。

SAP Omnichannel Promotion Pricing
⇒SAP Commerce Cloud側の機能へ集約されました。

SAP Secure Login Service
⇒SAP Cloud Identity Services への統合され、認証基盤としての一元管理が進んでいます。

SAP Variant Configuration and Pricing
⇒S/4HANA Cloudのネイティブ機能、あるいは特定の業界向けソリューションへ統合されました。

一方で、新たにラインナップへ加わったサービスは以下の4サービスとなります。

SAP Data Quality Management, microservices for location data
⇒グローバルな住所・位置情報の正確性をAPIで担保します。顧客マスタのクレンジング、物流・配送ルート最適化のためのジオコーディングなど、正確な「場所」のデータが求められるビジネスプロセスに組み込むことが可能です。

SAP Build
⇒SAPの生成AI「Joule」を活用し、プログラミング知識の有無に関わらず、ビジネスロジックやUIを迅速に構築・拡張したい全てのプロジェクトで中核の開発基盤となります。

SAP Cloud ALM, memory extension
⇒運用管理におけるデータ保持容量が拡張されます。大規模なシステムランドスケープを監視し、長期的なパフォーマンス分析や監査対応のために運用データを大量に蓄積する必要がある場合に有効です。

SAP Document AI
⇒従来のOCRを超えた、非構造化データからの高度な意味抽出が可能となり、複雑なビジネス文書をAIが自動で読み取りS/4HANA等の後続プロセスへ繋げることが可能です。

注意事項② 契約プランによる利用可能サービスの違い

SAP BTPの各サービスは、ご契約のプランや環境によって利用可否が異なります。本記事ではそれらを区別せず、全般的なサービス概要として記載しております。具体的な利用条件や最新のサポート状況については、必ずSAP社の公式ページ(SAP Discovery Center等)にてご確認ください。主な確認項目は以下の通りです。
・商用モデル: CPEA、Pay-As-You-Go、SAP BTP Enterprise Accounts(SAP BTPEA)、Subscription、Trialなど
・プロバイダー: AWS、Microsoft Azure、Google Cloud、Alibaba Cloud、SAP
・リージョン(地域): 日本(東京)、米国東部(バージニア)、中国(上海)など

SAP BTPサービスまとめ・一覧(81種類)

本記事で紹介する各サービスには、詳細を確認いただけるようSAP公式ページ(SAP Discovery Center等)へのリンクを掲載しております。また、各サービスの役割を迅速に把握いただけるよう、概要については簡潔な解説を添えました。掲載順はアルファベット順となっておりますが、特定のサービスを直接探したい場合は、ブラウザのページ内検索や、本記事の目次機能をご活用いただければ幸いです。

SAP BTP ABAP environment

クラウド上でSAP HANAを活用した、最新のABAPアプリケーションを開発できるPaaSです。SAP Fioriアプリや、Webサービスを開発するためのABAP RESTful Application Programming Model (RAP)を提供し、様々なSAP BTPサービスと連携可能です。Eclipseベースの開発ツールやGit統合による効率的な開発、既存のABAP資産をクラウドに移行するためのツールも提供されます。

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SAP Integration Suite, advanced event mesh

イベント駆動型アーキテクチャを実現するための完全管理型サービスです。高い信頼性と拡張性を備え、オンプレミス、クラウド、ハイブリッドなど、あらゆる環境にまたがる複雑なイベント配信を可能にします。高度なブローカー機能や動的なルーティング、管理・監視ツールを提供し、大規模でリアルタイムなデータ連携を支援します。これにより、組織全体で機敏かつ柔軟なビジネスプロセスの構築が可能となり、デジタルトランスフォーメーションを強力に推進します。

Agent Activation for Dynatrace Service for SAP BTP

SAP BTP上で実行されるJavaアプリケーションをDynatraceの監視環境へ接続するためのサービスです。このサービスを構成してアプリケーションにバインドすることで、再起動後にDynatraceエージェントが自動で注入されます。これにより、メトリクスやイベント、エンドツーエンドのトレースといった詳細な監視データが収集され、Dynatraceのデータセンターへ送信されるようになります。開発者はJVM引数を用いてタグ付け等のカスタマイズも行え、アプリケーションのパフォーマンスを効率的に管理できます。

Agentry

SAPバックエンドシステムの機能をモバイルユーザーに拡張します。Agentryサービスは、Agentryモバイルアプリケーションの開発、テスト、運用を可能にします。Agentryサービスを管理および利用するには、開発および運用のためのモバイルサービスが必要です。

Application Autoscaler

定義したポリシーに基づいてアプリケーションのインスタンス数を自動で増減させるサービスです。メモリ消費量やCPU使用率、応答時間、スループットといった標準的な指標に加え、独自のカスタム指標を用いたスケーリングにも対応しており、リソース需要の変化へ柔軟に適応できます。これにより、動的な負荷変動に対しても最適なパフォーマンスを維持できるだけでなく、必要な分だけ計算リソースを消費・支払う形となるため、コスト効率を劇的に向上させることが可能です。

SAP Audit Log Service

監査目的でログを提供するSAP BTPのコアサービスです。標準機能では、APIやViewerを通じたログの取得・閲覧、90日間のデータ保存、BTPサービスからのログ書き込みが追加費用なしで可能です。さらにプレミアム版では、独自のアプリケーションからのログ記録や、業界規制に合わせた保存期間の変更といった高度な機能を利用できます。これにより、最新のセキュリティ基準や製品規格への準拠を支援し、コンプライアンス要件に基づいた柔軟かつ安全なログ管理と運用を可能にします。

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SAP Authorization and Trust Management Service

アプリケーションへのアクセス制御と外部アイデンティティプロバイダ(IdP)との信頼関係を管理するサービスです。SAP ID serviceなどのデフォルトIdPのほか、自社の既存システムやカスタムIdPとの連携が可能で、柔軟なユーザー認証を実現します。権限管理においては、アプリケーション単位の技術的ロールをビジネスレベルのロールコレクションに集約できるため、大規模なクラウド環境でも効率的なロールベースのアクセス制御と一元的な管理が可能です。

SAP Automation Pilot

複雑な手動プロセスを簡略化・自動化するSAP BTPのDevOps向けローコード/ノーコードエンジンです。提供されるカタログから定義済みコマンドを選択できるほか、独自のカスタムコマンドの作成や実行スケジュールの設定、イベントに応じた自動実行が可能です。さらに、生成AIによるコンテンツ作成や機密データの安全な保管、プライベート・オンプレミス環境のリソース操作にも対応しており、運用チームの効率向上と作業負荷の軽減を強力に支援します。

SAP Business Application Studio

SAP Web IDEの次世代版として提供される、ブラウザベースの強力なクラウド開発環境です。デスクトップ型IDEに近い操作感を実現しながら、ウィザードやテンプレート、グラフィカルエディタなどの高生産性ツールにより、開発期間の短縮を支援します。SAP FioriやS/4HANA拡張、ワークフローといった主要なビジネスシナリオに最適化されており、マルチクラウド環境で場所を問わず利用可能です。ローカルへのインストール不要で、SAPの最新技術を統合した高度なビジネスアプリを効率的に構築できます。

SAP BTP, Cloud Foundry Runtime

多様な言語でクラウドネイティブなアプリケーションを開発・実行できるPaaS環境です。JavaやNode.js、Pythonといった標準的なビルドパックに加え、オープン標準に基づき独自の言語も利用可能です。アプリケーションのライフサイクル管理や、コンテナ化、マルチテナンシーなどの機能を備え、SAP BTPが提供する豊富なサービス群と連携することで、スケーラビリティと高可用性を備えた堅牢なシステムを効率的に構築できます。組織やスペースの柔軟な管理を通じて、開発から運用までのプロセスを最適化します。

SAP Cloud Identity Services

システム間のID・アクセス管理を統合し、安全かつ円滑なシングルサインオン(SSO)を実現するサービス群です。Identity AuthenticationやIdentity Provisioningなどの機能を通じ、多様な認証方式や外部IDプロバイダとの連携、ユーザー情報の一元管理を可能にします。また、リスクベース認証によるセキュリティ強化や、SCIM APIを用いたユーザー管理、複数システム間でのデータ同期にも対応しています。これにより、クラウドとオンプレミスが混在する環境下でも、一貫した認証基盤と高度な権限管理を柔軟に構築できます。

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Cloud Integration Automation

SAPのクラウド製品とオンプレミス、あるいは他のクラウド製品との連携を支援するガイド付きワークフローサービスです。技術的な設定作業の一部を自動化することで手動タスクを削減し、ロールに基づいたタスク割り当てにより適切な担当者へ作業を振り分けます。また、入力データの一部再利用やシステムランドスケープ情報の自動提示、実行ログによる進捗追跡などの機能を備えています。これにより、複雑なシステム連携作業の効率性を高め、設定ミスを防ぎながらスムーズな統合を実現します。

SAP Cloud Logging

OpenSearchを基盤としたオブザーバビリティサービスで、SAP BTPの各種実行環境からログ、メトリクス、トレースを統合的に収集・分析します。Cloud FoundryやKymaとの親和性が高く、リクエストの負荷や遅延、エラー率を可視化する事前定義済みダッシュボードを提供しています。OpenTelemetryやJSON形式でのデータ受信に対応し、保持期間の設定やカスタムダッシュボードの作成、特定条件による通知設定も可能です。SAP Identity Authenticationとの連携によりアクセス管理も徹底でき、アプリケーションの稼働状況を多角的に把握・改善することを支援します。

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【SAP BTP】新サービス「SAP Cloud Logging Service」を使ってみた

【SAP BTP】SAP Cloud Logging Service実践編 その1:アプリケーションログ収集の応用

【SAP BTP】SAP Cloud Logging Service実践編 その2:メトリクス監視してみよう

【SAP BTP】SAP Cloud Logging Service実践編 その3:収集したデータを分析・ログを一元管理してみよう

SAP Cloud Management Service for SAP BTP

SAP BTPのアカウント管理操作を自動化・効率化するためのREST API群を提供するサービスです。このAPIを利用することで、グローバルアカウント内のディレクトリやサブアカウントの階層構造の管理、製品使用権(エンタイトルメント)やクォータの割り当てをプログラムから直接実行できます。また、マルチテナントアプリの購読管理や環境インスタンスの構築、管理操作に関するイベント情報の取得も可能です。手動作業をスクリプトや独自のアプリケーションによる自動運用に置き換えることで、大規模な環境管理の負担を軽減します。

SAP Cloud Portal Service

従業員や顧客、パートナー向けにデジタル体験ポータルを構築できるサービスです。SAP Fiori 3やカスタムデザインを用いた直感的なサイト作成が可能で、SAPUI5やWeb Dynpro ABAPといった多様なアプリへシングルサインオンで安全にアクセスできる中央エントリポイントを提供します。サイトやコンテンツの管理ツール、翻訳、パーソナライズ機能も備えており、ビジネスソリューションをSaaSとして公開することも可能です。これにより、あらゆるデバイスから業務データへ効率的にアクセスできる環境を実現します。

SAP Cloud Transport Management

異なる実行環境(Cloud Foundry、ABAP、Neo)間でアプリケーション成果物や設定内容の転送を一元管理するクラウドサービスです。オンプレミス環境や追加のインフラを必要とせず、複数のグローバルアカウントにまたがる複雑な輸送経路やスター型トポロジの構成が可能です。CI/CDツールとの連携や、特定のタイミングでの自動インポート設定にも対応しており、開発環境から本番環境への変更伝播を柔軟かつ安全に制御することで、クラウド開発におけるリリースの信頼性を大幅に向上させます。

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SAP Connectivity Service

クラウド上のアプリケーションと隔離されたネットワーク内のオンプレミスシステムを安全に接続するサービスです。従来のプロキシ設定や複雑なファイアウォール変更を必要とせず、HTTP、RFC、TCPといった主要プロトコルを用いたハイブリッド環境の迅速な構築を支援します。また、クラウドユーザーのIDをオンプレミス側へ引き継ぐID伝播機能により、パスワード入力なしでのログインが可能です。さらに、クラウドデータベースへのJDBC/ODBCアクセスやマルチテナント対応も備えており、セキュアで効率的なデータ連携基盤を実現します。

SAP Content Agent Service

SAP BTPのサブアカウント間でコンテンツを効率的に転送・管理するためのCloud Foundryベースのサービスです。標準化されたUIを通じて、各種プロバイダからコンテンツをMTAR形式で集約し、関連する依存関係を含めて一括でエクスポートできます。SAP Cloud Transport ManagementやCTS+と連携することで、トランスポートキューへの直接送信やダウンロードが可能です。また、マルチテナントにも対応しており、転送アクティビティの詳細確認も容易なため、一貫性のあるスムーズなコンテンツ運用を実現します。

SAP Continuous Integration and Delivery

SAP開発プロジェクト向けに事前定義されたCI/CDパイプラインを構成・実行できるサービスです。Gitリポジトリと接続し、コードのビルド、テスト、デプロイを自動化することで、開発および提供サイクルの高速化を支援します。プライベートリポジトリ接続のための資格情報管理や、ビルド状況のリアルタイム監視、詳細なログ確認機能も備えています。インフラの構築や複雑な設定を最小限に抑えつつ、標準的な開発プロセスを容易に導入でき、アプリケーションの品質維持と効率的なリリース管理を実現します。

SAP Credential Store

SAP BTP上で実行されるアプリケーション向けに、パスワードや暗号鍵を一括管理するリポジトリサービスです。REST APIを通じてこれらの認証情報を安全に取得でき、外部サービスへの認証やTLS通信、暗号化処理に利用可能です。BTPコクピットやCLIによるインスタンス管理に加え、外部アプリケーションからの利用を可能にするサービスキーの作成もサポートしています。さらに、SAP Data Custodianとの連携により自社管理の鍵でデータを暗号化できるため、高度なセキュリティとガバナンスを維持した運用が実現します。

SAP Custom Domain Service

SAP BTP上のアプリケーションを公開する際、デフォルトのサブドメインではなく独自のドメインを設定できるサービスです。顧客が認識しやすいドメイン名の構成に加え、TLS/SSL証明書のアップロードによる通信保護や、プロトコル・暗号スイートの詳細設定を通じたセキュリティの強化が可能です。ダッシュボードでは証明書の有効期限警告などの重要KPIを確認でき、マルチテナント環境や拡張ランドスケープにも対応しています。CLIとUIの両方から柔軟に管理でき、信頼性と独自性の高いWeb公開基盤の構築を支援します。

Data Attribute Recommendation

テキストや数値、カテゴリ情報を入力として、製品や店舗などのエンティティを自動分類したり、不足している数値属性を予測したりする機械学習サービスです。データセットの管理からモデルの学習、デプロイ後の分類・予測実行までを一貫して行え、例えば製品説明に基づくカテゴリ分けや価格予測に活用できます。マルチテナントにも対応しており、複数の消費者が共有リソース上で効率的に利用可能です。これにより、データ入力作業の自動化と品質向上を実現し、業務プロセスの高度化を強力に支援します。

SAP Data Privacy Integration

ビジネスアプリケーションに不可欠なデータプライバシー機能を統合し、GDPR等の法的規制への準拠を支援するサービスです。APIを通じて、利用目的が終了したデータの削除ルールを維持・実行する保存管理や、保存されている個人データのレポート生成およびエクスポート、修正・削除の実行が可能です。さらに、自由記述テキストや画像などの非構造化データに対する匿名化・仮名化機能も備えています。マルチテナントにも対応しており、複数の環境で機密性の高いデータを安全かつ適切に管理するための共通基盤を提供します。

SAP Data Quality Management, microservices for location data

住所のクレンジングやジオコーディング、逆ジオコーディングを提供するクラウドサービスです。各国の基準に合わせた住所データの検証・標準化に加え、入力中のタイプアヘッド提案により、正確かつ迅速なデータ入力を支援します。また、住所から緯度経度を算出する機能や、逆に座標から最寄りの住所を取得する機能を備えています。これらは多くのSAPアプリケーションに事前統合されており、あらゆる業務プロセスに組み込むことで、高品質な位置情報の維持と活用を容易に実現します。

SAP Destination Service

クラウドアプリケーションからリモートのサービスやシステムへ接続するために必要な情報を一元管理するサービスです。HTTPやRFC、LDAPといった多様なプロトコルに対応し、インターネット上のリソースだけでなくオンプレミス環境への接続設定も容易にします。Cloud FoundryやKyma、ABAPといった各実行環境から利用可能で、ルーティングや認証フロー、カスタムパラメータの構成も柔軟に行えます。マルチテナントにも対応しており、複数の消費者が共有環境で効率的に利用できるため、複雑なシステム間連携におけるセキュアで一貫した接続基盤を提供します。

SAP Document Management service, application option

企業コンテンツの管理を即座に開始できるWebアプリケーションです。独自のストレージのほか、CMIS準拠の外部リポジトリとも接続でき、ファイルやフォルダの階層管理、移動、コピーを直感的に行えます。組み込みビューアによるPDFや画像の閲覧、メタデータの編集、複数バージョンの保持やワークフロー管理といった高度な機能を備えています。さらに、内部リポジトリの暗号化や暗号鍵の制御にも対応しており、高度なセキュリティを維持しながら、ビジネス文書を安全かつ効率的に一元管理することが可能です。

SAP Document Management service, integration option

ビジネスアプリケーションに文書管理機能を組み込むためのサービスです。CMIS準拠の外部リポジトリやSAP独自のストレージと接続可能で、ファイル階層、バージョン管理、ステータス管理などの高度な機能をAPI経由で利用できます。また、UI5ベースの再利用可能なUIコンポーネントをアプリ内に埋め込むことで、開発工数を抑えつつ直感的な操作画面を実装できます。内部リポジトリの暗号化やマルチテナントにも対応しており、高度なセキュリティと柔軟性を備えたカスタム文書管理システムを効率的に構築することを支援します。

SAP Event Mesh

ハイブリッド環境全体でイベント駆動型アーキテクチャを実現し、ビジネスプロセスの俊敏性と拡張性を高めるサービスです。SAPおよび非SAPのシステムから発行されるビジネスイベントを、デジタルコアから拡張アプリケーションまで幅広く配信・管理できます。疎結合な通信により、SAP Integration Suiteや各種バックエンドシステムとシームレスかつ信頼性の高いデータ連携を可能にします。これにより、各アプリケーションが独立して動作しながらもリアルタイムに情報を共有できる、柔軟なエコシステムの構築を支援します。

SAP Feature Flags service

アプリケーションの再デプロイや再起動を行うことなく、実行時に新機能の有効・無効を制御できるサービスです。真偽値や文字列によるバリエーション設定が可能で、特定のユーザーを対象とした直接配信や、全体への割合指定による段階的なリリースを柔軟に行えます。これにより、安全なコードデリバリーや迅速なロールバックが実現します。また、サービスインスタンス間でのフラグ情報のインポート・エクスポート機能やマルチテナントにも対応しており、複数の環境において一貫性のある機能管理と効率的な運用を支援します。

SAP Forms Service by Adobe

印刷用およびインタラクティブなPDFフォームを生成するサービスです。REST APIを通じてクラウドアプリケーションからドキュメントのレンダリングやテンプレート管理が行えるほか、オンプレミスのS/4HANAやBTP ABAP環境とも柔軟に連携できます。ローカル環境へのJavaインストールが不要なため、インフラの簡素化とコスト削減が可能です。テンプレートやスキーマをサービス内に保存・管理でき、個別のビジネス要件に応じた高度な帳票処理をセキュアかつ効率的に実現します。

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SAP HTML5 Application Repository Service for SAP BTP

SAP BTP上でHTML5アプリケーションの静的コンテンツを一元的に管理・保存するためのサービスです。アプリケーションルーターからコンテンツを分離することで、ルーターを停止させずにアプリの更新が可能なゼロダウンタイムを実現します。バージョン管理や公開・非公開の権限設定に対応し、パブリック設定時にはスペースを跨いだ共有も可能です。実行時にはキャッシュの最適化により高パフォーマンスを維持し、マルチテナント環境下でも複数の消費者が共有リソース上で効率的に利用できる設計となっています。

SAP Cloud Identity Services – Identity Provisioning

各種クラウドやオンプレミスのアプリケーションにおけるユーザー情報のライフサイクル管理を自動化するサービスです。SAP製品に限らず非SAPシステムも含めた複数のシステム間で、ユーザーやグループの属性情報および権限を効率的に配信・同期します。データの変換やフィルタリングにより配信内容を柔軟に制御でき、全データの読み込みだけでなく変更分のみを扱うデルタモードにも対応しています。また、ジョブの実行ログ管理や通知機能も備えており、ID管理業務の自動化と確実な運用を強力に支援します。

SAP Integration Suite

組織内外のアプリケーション、データ、プロセスをシームレスに繋ぐ、エンタープライズ向けの統合プラットフォーム(iPaaS)です。プロセス統合を担うCloud Integrationをはじめ、APIの管理・保護、イベント駆動型連携、非SAP製品との接続を容易にするOpen Connectorsなど、豊富な機能を備えています。機械学習を用いたマッピング支援やB2B取引先管理、既存のSAP Process Orchestrationからの移行評価もサポートしています。事前定義された連携パックを活用することで開発期間を短縮でき、クラウドとプライベート環境の両方で柔軟なハイブリッド運用を実現します。

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Intelligent Situation Automation

SAPの状況処理(Situation Handling)を拡張し、ビジネスルールに基づいた自動解決を実現するサービスです。定型的な業務や反復タスクを自動処理することで、ユーザーの作業時間を大幅に削減します。自動化設定の作成や編集、削除に加え、ダッシュボード機能により自動解決で節約された時間や改善の提案を可視化できます。また、発生した状況の種類や解決フローの詳細分析、エンティティ間の相関関係の把握も可能です。これにより、業務上の課題をデータ主導で効率的に解消し、運用のさらなる高度化を支援します。

SAP Job Scheduling Service

単発または定期的な実行スケジュールを定義・管理できるランタイムに依存しないサービスです。Cron形式や人間が理解しやすい日付形式で、アプリのURL呼び出しやCloud Foundryタスクを柔軟にスケジュール可能です。OAuth 2.0による安全な通信をサポートし、REST APIを通じてジョブの作成や実行ログの取得を非同期で行えるため、リソースの最適化が図れます。Webベースの管理画面から直感的に監視や編集ができ、マルチテナントにも対応しているため、複数のシステムが混在する環境でも一貫したジョブ運用を実現します。

SAP Keystore Service

暗号鍵や証明書を一元管理・保存するためのリポジトリサービスです。アプリケーションから保存されたキーストアを容易に取得でき、デジタル署名の作成や検証、メッセージの暗号化・復号、およびSSL通信といった高度なセキュリティ処理に活用できます。また、Java EEにおけるクライアント証明書認証をサポートするほか、SAP JVMにJCEポリシーファイルを導入することで、制限のない強力な暗号化強度の利用も可能です。これにより、機密データの保護と信頼性の高い通信基盤をセキュアに構築・運用することを支援します。

SAP BTP, Kyma runtime

オープンソースプロジェクト「Kyma」をベースとした完全管理型のKubernetes実行環境です。開発者は、サーバーレスなFunctionやコンテナ化されたマイクロサービスを組み合わせ、SAPおよび非SAPソリューションを柔軟に拡張できます。APIやイベント駆動型のアーキテクチャをサポートしており、需要に応じたスケーラブルなワークロードの実行が可能です。オープン標準に基づいたサービスメッシュや接続機能も統合されており、利用量に応じた料金モデルでビジネスニーズに合わせた効率的な運用とクラウドネイティブな開発を実現します。

SAP Malware Scanning Service

ビジネス文書に潜むウイルスやマルウェアを検知するためのスキャン機能を提供するサービスです。開発者はこのサービスを独自のカスタムアプリケーションに統合でき、ファイルのアップロードやダウンロードの際に自動的にスキャンを実行する仕組みを構築できます。これにより、環境内へのマルウェア侵入を防ぎ、ビジネスデータの完全性を保護するとともに、企業のコンプライアンス要件の遵守を強力に支援します。セキュアなアプリケーション運用において、信頼性の高いファイル共有とストレージ保護を実現するための不可欠な基盤となります。

SAP Market Rates Management, Bring Your Own Rates data option

外部のデータプロバイダーから取得した独自の市場レートをアップロードし、一元管理できるサービスです。一度のアップロードでS/4HANA互換形式やJSON形式でのダウンロードが可能になり、複数のオンプレミスやクラウドインスタンスへ同時にレートを配信できます。為替や金利など最大12種類のデータ型に対応しており、APIや専用アプリを通じてデータの照会、削除、ログ確認も容易に行えます。これにより、複雑なシステム景観全体で一貫した市場データを効率的かつ正確に共有することを支援します。

SAP Market Rates Management, Refinitiv data option

Refinitiv社が提供する信頼性の高い市場レートを日次または指定期間で取得し、SAP S/4HANAシステムで直接利用できるサービスです。為替や金利、ボラティリティなど最大10種類のデータ型に対応しており、期間指定によるヒストリカルデータや月末平均レートの取得も可能です。また、以前紹介した「Bring Your Own Rates」機能も内包されているため、独自のデータソースとRefinitivのデータを一元的に管理・配信できます。これにより、オンプレミスとクラウドが混在する環境下でも、正確な市場データに基づいた迅速な意思決定と業務処理を支援します。

SAP Master Data Governance, cloud edition

ビジネスパートナーのコア属性を適切に管理し、高いデータ品質を維持するためのクラウドサービスです。ワークフローに基づいた中央ガバナンス機能により、外部データの参照や複数データの同時一括処理が可能です。また、ファイルやAPI経由で取り込んだデータを集約し、重複検知やマージを行うことで「ベストレコード」を作成し、正確な分析基盤を構築できます。さらに、検証ルールを定義してデータの質を継続的に監視・改善する品質管理機能も備えており、信頼性の高いマスタデータ管理を一元的に実現します。

SAP Master Data Integration

ハイブリッド環境全体で一貫したマスタデータの共有を可能にするマルチテナント型のクラウドサービスです。複数のクライアント間でマスタデータを同期・複製する機能を中核とし、SAP Business Data Orchestrationサービスを介したフィルタリング設定により、必要なデータのみを柔軟に配信制御できます。また、ビジネス要件に応じて標準のマスタオブジェクトに独自の項目やエンティティを追加できる拡張性も備えています。これにより、複雑なシステム景観においてデータの断片化を防ぎ、統合された信頼性の高いマスタデータ基盤の構築を支援します。

SAP Mobile Services

SAP Build Codeを通じてモバイル開発の中核を担うプラットフォームです。iOSやAndroid向けのネイティブアプリ、クロスプラットフォームアプリ、Webアプリの開発をサポートし、Mobile Development Kit(MDK)などのSDKを提供しています。プッシュ通知によるリアルタイムな情報更新や、OData同期を活用したオフライン環境でのデータ利用、高度な認証ポリシーによるセキュリティ確保が可能です。管理画面からは、アプリのライフサイクル管理や利用状況の分析、デバイス上のデータ消去といった運用操作を一元的に行えます。既存のオンプレミス拡張からクラウドネイティブなアプリ構築まで、エンタープライズ領域のモバイル化を強力に推進します。

SAP Monitoring Service for SAP BTP

JavaやHTML5、HANA XSアプリケーションおよびデータベースの稼働状況を監視し、イベント通知を受け取れるサービスです。標準的なメトリクスの履歴確認に加え、JMXベースのチェックやカスタムHTTPチェックを登録して、アプリケーション独自の閾値やアラートを設定できます。異常検知時にはメールやWebhookを通じて即座に通知を受け取れるため、迅速な対応が可能です。BTPコクピット、コンソール、REST APIの各インターフェースから操作でき、システムの健全性維持とパフォーマンス管理を柔軟かつ統合的に実現します。

OAuth 2.0

Webやモバイル、IoTといった幅広いシナリオにおいて、OAuth 2.0プロトコルに基づいた認証・認可の仕組みを構築できるサービスです。Webアプリに適した「認可コードグラント」を利用すれば、第三者に資格情報を渡すことなく柔軟なアクセス許可や権限消去が可能になります。また、ユーザーを介さずクライアント資格情報のみでトークンを発行する「クライアント資格情報グラント」は、API保護やデバイス間通信の保護に最適です。これにより、セキュアで一貫性のあるアクセス制御を各種アプリケーションに容易に導入できます。

Object Store on SAP BTP

AWS S3やAzure Blob Storage、Google Cloud Storageといった各クラウドプロバイダーのインフラを活用し、オブジェクトの保存と管理を一元的に行えるサービスです。アプリケーションに対してセキュアな認証情報を提供し、バケットやコンテナへの容易なアクセスを実現します。基盤となる技術により高い可用性と耐久性が確保されており、ストレージの複製によってデータの消失を防ぎます。Cloud FoundryやKyma環境から利用可能な高いスケーラビリティを備えており、ビジネス要件に応じた柔軟で信頼性の高い非構造化データの管理基盤を提供します。

SAP Personal Data Manager

アプリケーションやサービスに保存されている個人データを特定し、その本人(データ主体)に対して情報の利用状況を通知するためのサービスです。高度な検索機能により、個人や法人の顧客から特定のデータ主体を迅速に見つけ出し、使用されている個人データの詳細をメールで送信することが可能です。また、本人に代わってデータの開示や処理のリクエストを作成・管理し、それらの進捗を評価・処理する機能も備えています。マルチテナントにも対応しており、複数の環境で機密性の高い個人情報を適切かつ透明性を持って管理し、法的コンプライアンスの維持を支援します。

Personalized Recommendation

最新の機械学習技術を活用してWebサイトの訪問者に最適化された提案を行う汎用的なサービスです。ユーザーの閲覧履歴やアイテム情報に基づき、次に関連性の高い商品を提案する「次アイテム推薦」や、閲覧中のものに似た「類似アイテム推薦」を実現します。また、個人の文脈や属性を考慮したスマート検索、過去の行動からユーザーの嗜好を導き出すアフィニティ推薦機能も備えています。これらを多様なビジネスシナリオに組み込むことで、一人ひとりに寄り添ったパーソナライズ体験を提供し、顧客満足度や成約率の向上を強力に支援します。

PostgreSQL on SAP BTP, hyperscaler option

AWS、Azure、GCP、Alicloudといった主要なクラウドプロバイダーが提供するネイティブなPostgreSQLを、SAP BTPから直接プロビジョニング・管理できるリレーショナルデータベースサービスです。プライベートで低遅延なネットワーク設定により、Cloud Foundry上のアプリケーションからセキュアにデータへアクセスできます。標準で有効な自動バックアップによる任意の時点への復元や、マルチAZ配置による自動フェイルオーバー、高い障害耐性を備えています。また、コンピュートやストレージの柔軟なスケーリングに加え、各種拡張機能もサポートしており、ビジネス要件に合わせた高度なデータベース運用を支援します。

SAP Print service

SAP BTP上のアプリケーションや各種SAPクラウド製品から、顧客のローカルプリンターへの接続を容易に確立できるサービスです。開発チームはこのサービスを活用することで、印刷連携のための開発工数を大幅に削減できます。機能面では、印刷キューの作成や一時停止、再開といった管理に加え、個別の印刷アイテムの停止や別キューへの再割り当てが可能です。公開APIを通じて印刷キューの照会やアイテム作成を柔軟に行えるほか、マルチテナントにも対応しており、複数の消費者が共有環境で効率的に利用できるため、エンタープライズ環境におけるセキュアで一貫した印刷基盤の構築を支援します。

SAP Private Link Service

SAP BTPと外部のIaaSプロバイダー(AWS、Azure、GCPなど)にある特定サービスとの間に、セキュアな専用接続を確立するサービスです。各クラウドベンダーが提供するプライベートリンク機能を活用することで、パブリックなインターネットを経由せずにプライベートネットワーク上でのデータ転送を実現します。これにより、アカウントの境界を越えてプライベートエンドポイントへの直接アクセスが可能となり、機密データの流出リスクを抑えつつ、低遅延で信頼性の高いハイブリッドクラウド環境の構築を強力に支援します。

Redis on SAP BTP, hyperscaler option

AWSやAzureが提供するネイティブなRedisを、SAP BTPから直接プロビジョニング・管理できるマネージド型のインメモリデータストアサービスです。プライベートで低遅延なネットワーク構成により、Cloud Foundry上のアプリケーションからセキュアにアクセス可能です。マルチノード展開による別アベイラビリティゾーンへのレプリカ配置と自動フェイルオーバー機能を備えており、高い可用性と障害耐性を実現します。また、メモリ容量や処理能力の要件に合わせて柔軟にスケーリングできるため、高負荷なビジネスアプリのキャッシュ基盤として効率的な運用を支援します。

SAP Responsibility Management service

ワークフローなどのフレームワークにおいて、ビジネスプロセスやオブジェクトを担当するエージェントを自動的に決定・通知するための基盤です。条件ベースのルール定義や外部APIとの連携により担当者を特定し、期限間近の通知や遅延警告を送信できます。チームのオーナーやメンバー、特定の役割を管理する構成機能も備えており、担当決定時の実行ログを確認することで透明性の高い運用が可能です。設定データはJSON形式でエクスポートでき、マルチテナントにも対応しているため、複雑な組織構造を持つアプリケーションにおいても効率的かつ正確な責任分担の自動化を支援します。

SAP Software-as-a-Service Provisioning service

マルチテナントアプリケーションとその関連サービスのサブスクリプションを効率的に一元管理するための機能を提供します。プロバイダーのグローバルアカウント内にあるコンシューマーサブアカウントに対して、アプリケーションの登録情報の取得や購読の開始、解除を柔軟に行うことができます。また、アプリケーションが依存する関連サービスの情報更新や、購読プロセスに伴うジョブの進捗状況をAPI経由で詳細に追跡することも可能です。これにより、複数のテナントが混在する複雑なSaaS環境下においても、各ユーザーへのサービス提供とインフラ管理をセキュアかつ正確に制御することを支援します。

SAP AI Core

AI資産の実行と運用を標準化された手法で管理するための、スケーラブルかつ特定基盤に依存しないサービスです。オープンソースのフレームワークを活用し、モデルの学習やバッチ推論といったパイプラインの実行から、Webサービスとしてのデプロイまで、AIシナリオのライフサイクル全般を統合的に管理できます。GitやDocker、オブジェクトストアとの連携によりインフラを柔軟に統合でき、マルチテナント対応によるデータの分離も容易です。さらに、generative AI hubを通じて生成AIモデルの実験やプロンプト管理にもアクセスでき、最新のAI機能をセキュアにビジネスへ組み込むことを支援します。

SAP AI Launchpad

SAP BTP上で提供されるマルチテナント型のSaaSアプリで、SAP AI Coreなどの複数のAI実行環境を一元管理するためのプラットフォームです。AIシナリオのライフサイクル全般を統括し、モデルの学習からデプロイ、オンライン予測用のエンドポイント生成までを効率的に操作できます。また、Generative AI Hubを通じて生成AIのプロンプト実験や管理が可能で、リソースグループごとの資産管理や利用統計の分析、認証などの管理タスクも統合インターフェースで行えます。これにより、AIランタイムの計算ニーズを正確に把握し、ビジネスへのAI導入と運用を強力に支援します。

SAP Alert Notification service for SAP BTP

プロバイダーがアラートを発行し、消費者がそれを購読するための共通APIを提供するサービスです。SAP BTPリソースの稼働状況に関する重要な技術情報をリアルタイムで受信できるほか、フィルタリング機能により必要なイベントのみを選択して購読できます。通知は多様な通信チャネルや監視ツールへ配信可能で、独自のアプリケーションからREST APIやJava、Node.jsライブラリを用いてカスタムイベントを発行・受信することも可能です。マルチテナントにも対応しており、複数のテナントが混在する環境下でも、業務や運用に直結する重要な通知をセキュアかつ効率的に管理できる基盤を提供します。

SAP Analytics Cloud

※2026年1月2日付で対象クラウドサービスのリストから除外され、以降の更新は不可となりました。同日以降に開始されるBTPEA、CPEA、PAYGの契約においても更新対象外となりますが、引き続き「SAP Business Data Cloud (BDC)」にて同様のサービスが提供されます。そのため、今後の利用継続にあたってはBDCへの移行が必要となり、詳細な移行支援についてはSAPの担当営業チームへ問い合わせることが推奨されています

分析と計画を統合したSaaS型のオープンクラウドソリューションであり、洞察から即座なアクションへの移行を支援します。SAPデータのコンテキストを最大限に活かし、ライブ接続やデータインポートを通じて、チャートや可視化を用いたインタラクティブなダッシュボードやレポートを作成できます。機械学習による自動推論や「What-if」シナリオのシミュレーション機能を備え、過去のデータに基づく将来予測も可能です。モバイルアプリでの閲覧やサードパーティ製アプリへの埋め込みにも対応しており、SAP Datasphereと連携することで、よりスケーラブルでシームレスなビジネスデータ活用と迅速な意思決定を強力に推進します。

SAP ASE Service

SAP BTP上やオンプレミスのアプリケーションから、Java APIを通じて高性能なSAP ASEデータベースを利用可能にするサービスです。SAPがインフラとプラットフォームの運用を担う一方で、利用者はセルフサービス機能によりデータベースの作成や更新、削除を柔軟に行えます。単一のデータベースシステム内でテナントデータベースを分けることでセキュアなデータ領域の分離を実現し、SQLやJDBC/JPAを用いたアクセス、さらにはローカル環境からのリモート接続も可能です。Cloud Foundry等のアプリケーションと容易にバインドでき、堅牢でスケーラブルなデータ管理基盤を迅速に構築できます。

SAP Build

ローカル開発からプロフェッショナルな開発までをカバーする、業務アプリケーション開発と自動化のための包括的なソリューションです。生成AI「Joule」を活用し、自然言語によるプロセス、UI、ビジネスロジックの生成が可能なほか、事前定義されたコンポーネントを組み合わせることで開発を加速させます。ABAPやCloud Foundry、Kymaといった柔軟なランタイム環境を備え、SAP S/4HANA等の拡張やワークフロー、ビジネスサイトの構築を統合されたモデルで行えます。ビジネス部門とIT部門の連携を強化し、SAP内外のアプリケーション環境におけるサイロ化を解消しながら、クラウドネイティブな拡張開発を強力に支援します。

SAP Build Apps

Webやモバイル向けのネイティブアプリをノーコードで開発できるプラットフォームです。ドラッグ&ドロップ操作による高度なUI構築に加え、数式やロジックフローを用いたデータ変換も直感的に行えます。組み込みのクラウド関数機能により、プログラミングなしでバックエンドの構築やデータ永続化が可能で、既存のSAPデータモデルとも容易に連携できます。BTPの認証やDestination機能を活用し、SAP内外のシステムやAPIと迅速に統合できるため、ビジネスユーザーからプロの開発者まで、デバイスを問わず動作するエンタープライズ品質のアプリを効率的に作成できます。

SAP Build Code

SAP BTPのCloud Foundry環境における開発を簡素化する、次世代のフルスタック開発プラットフォームです。生成AI「Joule」を中核に据え、自然言語によるデータモデルやビジネスロジックの生成、ユニットテストの自動作成を支援します。CAPベースのバックエンドからSAP FioriやSAPUI5を用いたフロントエンド、さらにはモバイルアプリまでを一貫して構築可能です。GitやCI/CDと統合されたモダンな開発環境に加え、SAP BTP開発ガイドに基づいたベストプラクティスが組み込まれており、開発者の生産性を飛躍的に高めます。

SAP Build Process Automation

ワークフロー管理とRPAの機能を統合し、直感的なノーコード・ローコード環境で業務プロセスを自動化できるサービスです。ドラッグ&ドロップによる対話型フォームの作成や、視覚的なグラフィックインターフェースを用いた一連のプロセス定義が可能です。単純な繰り返し作業を自動化するロボットの構築に加え、スプレッドシート形式での判断ロジック管理も行えます。さらに、リアルタイムなダッシュボードにより全体の進捗を可視化できるため、現場の担当者から専門家までが連携して業務効率を最大限に高めることを支援します。

SAP Build Work Zone, advanced edition

業務アプリやプロセス、情報、コミュニケーションを一つの入り口に集約し、ユーザーの生産性を高めるデジタルワークスペース基盤です。最小限のコーディングで、デスクトップやモバイルからアクセス可能なパーソナライズされた利用体験を提供します。SAP内外のシステムからタスクやワークフローを統合できるほか、ブログや掲示板、アンケートなどの共同作業ツールを通じてチーム間の対話を促進します。シングルサインオンによる役割ベースのアクセス制御も備え、オンプレミスとクラウドが混在する環境においても、場所を問わず一貫性のあるモダンな業務環境の構築を支援します。

SAP Build Work Zone, standard edition

クラウドやオンプレミスを問わず、SAP S/4HANAやカスタムアプリ、サードパーティ製ツールへの入り口を一元化するポータルサービスです。ロールベースのパーソナライズ機能を備え、ユーザーは自分に必要なアプリやタスクへ直感的にアクセスできます。BTPのマイインボックスやIDサービスとシームレスに統合できるほか、シェルプラグインやカスタムブランディングによる柔軟な拡張も可能です。マルチテナントにも対応しており、多様なUI技術が混在する環境下でも、統一感のある効率的な業務フロントエンドを迅速に構築することを支援します。

当サービスについての関連記事です。

[SAP BTP]SAP Build Work Zoneの通知機能でCloud Foundryアプリへ遷移させる(前編)通知テンプレートの登録

[SAP BTP]SAP Build Work Zoneの通知機能でCloud Foundryアプリへ遷移させる(後編)通知の登録

SAP Cloud Application Event Hub

SAPのイベント駆動型アーキテクチャ戦略を支え、ビジネスイベントを容易かつ安全に交換するためのエコシステムを提供します。BTP上で定義されたテナント間のデータ分離を厳格に維持しつつ、SAPクラウドアプリケーション間でのイベント配信を制御できます。SAP Integration Suiteを介せばサードパーティ製やオンプレミス製品との連携も可能です。トピックやキューといった下位インフラの個別設定が不要なシームレスな統合を実現しており、SAP Cloud ALMでの監視を通じてエラー対応も迅速に行える、拡張性の高いイベント基盤を構築できます。

SAP Customer Data Cloud

顧客のアイデンティティ、同意、認証を一元的に管理し、セキュアで一貫性のある顧客体験を提供するサービスです。統一されたプロフィールを通じて、Webやアプリの利用者の重要情報を安全に保存し、リアルタイムなエンゲージメントに活用できます。プライバシーや同意状況の透明性を確保し、国際的な規制遵守を支援するとともに、データの地域別保存によるローカル法への対応も可能です。さらに、アカウント乗っ取り防止やリスクベース認証を備え、サードパーティ製セキュリティツールと連携して、顧客データとブランドの信頼性を強力に守ります。

SAP Data Retention Manager

SAP BTP上のアプリケーションにおいて、個人データや関連トランザクションデータの保持・削除ルールを一元管理するサービスです。法的な根拠に基づいたビジネス目的(Business Purpose)を設定し、データの保存期間や削除時期を定義できます。データ主体の目的終了を確認し、保持期間を過ぎたデータのブロックや削除リクエストを自動でトリガーする機能を備えています。アーカイブや破棄の選択基準も柔軟に設定でき、データモデルを問わずマルチテナント環境下での法的コンプライアンスの遵守を強力に支援します。

SAP Datasphere

※2026年1月2日付で対象クラウドサービスのリストから除外され、以降の更新は不可となりました。同日以降に開始されるBTPEA、CPEA、PAYGの契約においても更新対象外となりますが、引き続き「SAP Business Data Cloud (BDC)」にて同様のサービスが提供されます。そのため、今後の利用継続にあたってはBDCへの移行が必要となり、詳細な移行支援についてはSAPの担当営業チームへ問い合わせることが推奨されています。

組織内の重要なデータを統合・調和させ、データファブリック・アーキテクチャを実現する包括的なデータ基盤です。ローコード・ノーコードの直感的なツールやSQLエディタを備え、SAP内外のクラウドやオンプレミス、データレイクからデータを仮想化・複製して高度なセマンティックモデリングを行えます。スペース管理機能により部門ごとにセキュアな環境を提供できるほか、カタログ機能によるデータガバナンスや、行レベルのセキュリティ制御も可能です。SAP Analytics CloudやExcelともシームレスに連携し、ビジネスの迅速な意思決定を強力に支援します。

SAP Document AI

多様な形式や構成を持つ大量のビジネス文書から、情報を自動で抽出・処理するためのソリューションです。文書ファイルをアップロードするだけで、レイアウトやセクションの構成を問わず、必要なデータを高精度に抽出できます。さらに、抽出した情報を既存のビジネスデータと照合して紐付けるデータ拡充機能も備えており、手作業によるデータ入力を大幅に削減します。マルチテナント環境にも対応しているため、複数の組織や部門でインフラを共有しながら、セキュアかつ効率的に文書管理の自動化を推進できます

SAP HANA Cloud

ペタバイト規模のミッションクリティカルなアプリケーションやリアルタイム分析を支えるクラウドデータベースサービスです。インメモリスピードでの高速処理に加え、リレーショナル、グラフ、空間、ベクトル、半構造化といったマルチモデルデータに対応し、生成AIの文脈理解や高度な予測分析を可能にします。ディスクストレージやデータレイクを含む統合された多層ストレージにより、データの利用頻度に応じたコスト最適化が可能です。また、データマスキング等の強力な保護機能を備え、システムの負荷に合わせた柔軟なスケーリングにより、ハイブリッド環境におけるデータ統合と高度なアプリ開発を強力に支援します。

SAP HANA Service (SAP Regions) for SAP BTP

SAP HANAのインメモリデータ処理能力をクラウド上で提供するマネージドデータベースサービスです。バックアップの自動化や可用性保証に加え、SAP HANA 2.0をベースとした固定サイズのシステム構成を迅速に構築し、BTP上のアプリとバインドできます。標準版ではJavaやJavaScriptを用いた開発や時系列データの分析が可能で、上位のEnterprise Editionでは地理空間・グラフデータの解析、高度なテキスト検索、機械学習ライブラリを用いた予測アルゴリズムの実行にも対応します。多様な言語やインターフェースを介してアクセスでき、ビジネスの要件に応じた柔軟なデータ活用基盤の運用を支援します。

SAP HANA Spatial Services for SAP BTP

ビジネスデータに「場所」の次元を加え、高度な地理空間分析を可能にするクラウドサービスです。住所から経緯度を特定するジオコーディングや、地図上へのデータ可視化、地点間の最適なルート計算、さらには複数拠点間のマトリクスルーティングなどの機能を標準API経由で提供します。SAPが管理する強力なインフラ上で、多様な地理参照データを統合・処理できるため、物流や配送計画の最適化、エリア分析といった高度な空間インサイトを、自社のアプリケーションへ迅速に組み込むことを支援します。

SAP Health Data Services for FHIR

医療データの国際標準規格であるHL7 FHIRに準拠した、クラウドネイティブなデータ管理基盤です。包括的なREST APIを通じて、あらゆるFHIRリソースの保存や検索をセキュアかつ高速に行うことができます。標準リソースの拡張やカスタムリソースの作成、さらには独自のビジネスルール定義が可能で、複雑な業務要件や頻繁に変わる法的規制にも柔軟に対応できます。メッセージング機能により外部システムとのシームレスな統合も容易であり、医療関連のアプリケーション開発や運用を強力に支援する拡張性の高いプラットフォームを提供します。

SAP Solution Lifecycle Management service for SAP BTP

マルチターゲットアプリケーション(MTA)の概念を用いて、複雑なビジネスアプリの継続的なデプロイ、設定、保守を最適化するサービスです。MTAアーカイブをキャリアとして、BTPコクピットやコマンドクライアント、CTS+ツールからソリューションを迅速に配備・更新できます。サブアカウント内で各コンポーネントの状態やライセンス、購読状況を監視できるほか、ソリューションの削除も統合インターフェースから実行可能です。また、他アカウントが提供するマルチテナントソリューションの購読管理にも対応しており、アプリケーションのライフサイクル全体を一元的に制御することを支援します。

SAP Task Center

SAPおよびサードパーティ製のアプリケーションから割り当てられたすべてのタスクを一元管理し、ユーザーに単一のアクセスポイントを提供するサービスです。統一されたRESTインターフェースを介して多様なソースからタスクを統合し、キャッシュに保存することで、迅速かつ安定したアクセスを実現します。ユーザーはWebアプリやSAP Mobile Start、SAP Startを通じて、自分に割り当てられたタスクの検索やフィルタリング、詳細確認、承認などのアクションを一つの画面で行えます。これにより、複数のシステムを行き来する手間を省き、業務効率の大幅な向上を支援します。

SAP Translation Hub

ソフトウェアや文書の翻訳を効率化するAI活用のプラットフォームです。検証済みの多言語テキストリポジトリに加え、SAP独自のニューラル機械翻訳や大規模言語モデル(LLM)を用いることで、高品質な翻訳を提供します。ABAP拡張やBTPアプリのUI、ドキュメントなど、多様な形式に対応し、40〜54言語への翻訳が可能です。独自の用語集統合や品質評価機能も備えており、直感的なWeb UIやAPIを通じて既存のSAP製品や自社アプリにシームレスに組み込めるため、多言語展開の迅速化とコスト削減を強力に支援します。

SAP Service Manager

接続されたあらゆる実行環境からSAP BTPサービスを利用可能にし、インスタンスの作成や管理を一元化するサービスです。プラットフォームを登録することで、環境を問わずBTPサービスをネイティブに活用できるようになります。アカウント内で利用可能な全サービスの探索から、実行時のインスタンスのプロビジョニング、アクセス詳細を取得するためのサービスバインディングまで、APIを介して一貫した操作が可能です。異なる環境間でのサービス共有も容易であり、マルチクラウドやハイブリッドなシステム構成における効率的なサービス管理を強力に支援します。

UI5 flexibility for key users

UI5アプリケーションのUIをソースコードの変更なしで安全に拡張・調整できるサービスです。開発の知識がなくても、フィールドの追加や並び替え、ラベル変更などのUI最適化が可能で、それらの変更はアップグレードの影響を受けない形式で保存されます。ドラフト機能やバージョン管理を備え、変更内容を十分に確認してから全体に公開できるほか、ユーザー自身によるパーソナライズ設定も支援します。マルチテナント環境下で顧客ごとに独自のUIを提供でき、顧客管理の暗号鍵によるデータ保護にも対応した、柔軟性の高いUIカスタマイズ基盤を実現します。

SAP Usage Data Management Service for SAP BTP

全リージョンのサービスやアプリの利用情報を収集・蓄積し、分析や報告、ライセンス監査を可能にする基盤です。REST APIを通じて、ドメインごとの月間集約利用量やサブアカウント別の詳細な日次利用データを取得でき、CPEAモデルに基づくコスト配分情報の提供にも対応しています。これらの情報はBTPコクピットの利用分析ページで可視化されるほか、リソース計画やクロスバイヤー目的のレポート作成にも活用可能です。透明性の高い利用状況の把握により、企業レベルでの効率的なコスト管理と運用の最適化を支援します。

SAP Web IDE Full-Stack

ビジネスユーザー向けのSAP FioriアプリやSaaSソリューション、IoTアプリの開発を加速させる統合開発環境です。SAPUI5やJava、HANAツールセットを活用し、UIからビジネスロジック、データベース層までを網羅したフルスタック開発が可能です。S/4HANA Cloudの拡張や、標準アプリのカスタマイズ、Apache Cordovaを用いたモバイルアプリ構築にも対応しています。GitやSAP BTPの各種サービスと密接に統合されており、SDKによる機能拡張も可能なため、迅速かつ柔軟なアプリケーションのライフサイクル管理を一元的に支援します。

SAP BTPを「必要最低限で活用する」から脱却する方法を現場から考える

SAP BTPは80を超える多様なサービスを提供していますが、実際の導入プロジェクトでは「共通基盤機能」の活用に留まるケースが少なくありません。これは、予算や工期の制約下で、SAPが提唱する「Clean Core」の維持とシステムの安定稼働を最優先に確保しなければならないという、現場特有の現実的な判断に起因しています。しかし、こうした必要最小限の導入だけでは、SAP BTPがもたらす本来のインパクトや投資対効果が十分に見えにくいのも事実です 。S/4HANAやSuccessFactors等の基幹システムとシームレスに連携することで、具体的にどう業務が効率化され、どのようなビジネス上のメリットが生まれるのか。この「プラスアルファ」の価値を具体化することが、導入を成功させる鍵となります。現場の知見から言えるのは、BTPを単なる「技術的な器」ではなく、業務課題を解決する「柔軟な拡張レイヤー」として捉え直す重要性です。最新のAIエージェント機能や自動化シナリオを特定業務へ段階的に適用することで、スモールスタートから大きなビジネス価値へと繋げていける可能性を秘めています。SAP公式情報にはない現場での試行錯誤を活かし、真にプラスとなるDX支援の形を追求してまいります。

株式会社KYOSOとSAP BTPについて

株式会社KYOSOでは、SAP BTPを活用した最適なシステム構築をはじめ、導入済みのSAPプロダクト(SAP S/4HANA、SAP SuccessFactors等)に対する「Side-by-Side」での機能拡張、さらにはPoCによる初期検証やスモールスタートのご支援まで、豊富な実績を有しております。

株式会社KYOSO受託開発サービス

また、当社の組織的な取り組みについては、以下の記事にて詳しくご紹介しております。併せてご参照ください。

【SAP BTP】株式会社KYOSO 組織としての取り組みのご紹介

弊社はSAP社主催の各イベントにおいて、数多くの参加・登壇経験も有しております。

【SAP BTP】SAP TechEd Japan 2023でクロージングセッションのパネラーとして登壇!振り返りとKYOSOの取り組み

SAP社主催のSAP TechEd Japan 2024、SAP TechEd Japan 2025-2026でも、当社はプレミアスポンサーとして参加・登壇しました。

【SAP TechEd Japan 2024】初めての登壇体験記

【SAP TechEd Japan 2025-2026】登壇体験記

また、2024年にオーストラリア、2025年にドイツで開催されたSAP社のテクノロジーイベントにも招待され、参加しています。

【SAP BTP】SAUG-x 2024 in Melbourne:最新技術を学んだ2日間を徹底レポート!

【SAP TechEd Berlin 2025】現地3日間、最先端のBTPを体験!

その他、SAP社主催のイベントやワークショップにも積極的に参加しています。

イベントレポート:【SAP BTP】Composable Enterprise ハンズオンワークショップ

イベントレポート:SAP NOW AI Tokyo & JSUG Conference|SAP導入事例と生成AI最新トレンド

SAP BTPの導入社数は、業界や企業規模を問わず世界で1万社を超えており、現在も幅広い経営課題を解決するプラットフォームとして確かな実績を積み重ねています。株式会社KYOSOでは、「Side-by-Side 拡張開発」を中心としたビジネスアプリケーションの構築はもちろん、SAP BTPの導入・活用から、将来的な運用内製化のご支援まで、お客様のフェーズに合わせた最適なソリューションをご提供いたします。SAP BTPに関するご相談や、具体的な活用方法でお悩みの方は、ぜひお気軽にKYOSOまでお問い合わせください。

まとめ

「SAP BTPサービスまとめ・一覧」はいかがでしたでしょうか。
今回の調査では、SAP公式から「New & Featured」として6サービス、さらに「Always Free & Free Tier Services」として54サービスが紹介されていることが確認できました。もし気になったサービスや、実際のプロジェクトで導入を検討されているものがあれば、以下のリソースを積極的に活用することをお勧めします。
・ヘルプポータルの公式ドキュメント
・ハンズオン形式のチュートリアル
・コミュニティブログ(SAP Community)
これらを参照することで、最新の仕様を含めたより深い知識を得ることが可能です。また、今後のロードマップをチェックすれば、リリース予定の新機能についてもいち早く把握できます。
SAP BTPは今後もますます使い勝手が向上し、エコシステムが広がっていくことが期待されます。私自身も、日々のアップデートをキャッチアップしながら、定期的かつ継続的に情報発信を続けてまいります!

参考記事

SAP Discovery Center
SAP Help Portal(Document) – SAP Business Technology Platform(SAP BTP)
SAP Learning – SAP Tutorials
SAP Community – SAP Business Technology Platform
SAP Road Map Priorities

投稿者プロフィール

房 宗平
房 宗平
新卒からIT業界を歩き続けています。基幹系・オープン系システムのアプリ開発やプロジェクトリード、Web制作や社内ツール開発をしてきました。現在はSAPテクノロジー(主にSAP BTP)の仕事を担当しています。
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